神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] S-Fマガジン 2009年10月号

2009-09-02 22:14:15 | SF
『S-Fマガジン 2009年10月号』 (早川書房)



今年は神林長平、谷甲州、野阿梓の30周年だそうだ。
SFコンテスト出身の、いわゆる第3世代の方々ですね。これに、火浦功、大原まり子、岬兄悟あたりが加わる。
出身は違うが、夢枕獏もこれくらい。

当時は早川から黄色い背表紙の《新進書き下ろしSFノヴェルズ》とかいう叢書が出ていて、彼らの作品はそこで知った。
残念ながら、短命に終わってしまった叢書だったが、神林長平『あなたの魂に安らぎあれ』、岬兄悟の『風にブギ』、大原まり子の『機械神アスラ』、さらに、新井素子の『……絶句』まで入って、傑作ぞろいの叢書だった。

というのは、高橋良平氏の寄稿「1Q7Q」にも言及されている。

他にも、第3世代の作家競演による短編集『地球物語』なんてのもあったけどね。

この《新進書き下ろしSFノヴェルズ》の平成版ともいうべきものが、《ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション》なんだと思うが、かれらは第5世代なのか、第6世代なのかは知らないけど、あまり同時代的な連帯を感じない。あえて、バリエーションを狙っているようにも見えるのだが、「世代」というくくりでカテゴライズできるのは彼ら第3世代が最後なのかもしれないね。

まぁ、何かを主張したいわけではなくて、ただの昔話なんですが……。


もうひとつのロシアSF小特集はあまりにも小粒。もう少し、ちゃんと特集を組んでもらいたい気もするが、掲載作品を見るかぎり、ロシアSFは欧米SFとも日本SFとも違う方向に進んでいるようで、あんまり楽しめないかもしれない。SFというより、すっかりキライになったStrangeFiction系に思える。




『星魂転生』 谷甲州
 ○:考えれば考えるほど、時間的空間的なスケールに圧倒される作品。これに感動できるのがSFファン。

『雨ふりマージ』 新城カズマ
 ◎:[マージ萌え][アナログマ][虹-惨事問題][人権][わからん][解決編キボンヌ]

『クリエイター』 オレグ・オフチンニコフ
 △:[ダジャレ][チェブラーシカ][生みの苦しみ][白いうさぎ][やかん]

『祝宴』 アンドレイ・サロマトフ
 △:[空気嫁][非モテ][非コミュ][空気抜けた] ……もういいって?


たしかに、『雨ふりマージ』は去年書かれてもわからないだろうし、下手したら、来年読んでもわからないかも。
♪アナローグマ、あなろ~ぐぅま
なんて、俺は歌えるけど、普通の人は歌えないでしょ。
というか、リアルタイムな同時代性がないと、まったく違うイメージになると思うんだよね。
あの滑稽でちょっと物悲しいメロディがあるのとないのとでは感動が違いすぎる。
ただ、「小説」としてこういうのを評価していいのかという戸惑いもあるんだよね。
ハイパーテキストでリンクを埋め込んでこそ完成する作品なのかもしれない。


で、今月号のテーマは「同時代性」の考察ですか(笑)



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