神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

ミステリー・ワンダー・ランドのセンス・オブ・ワンダー[5] ナスカ激写

2016-03-06 23:56:38 | ペルー

ピスコ空港からのナスカの地上絵遊覧飛行。

まずは搭乗前に地上絵の案内図を渡される。航空写真の上に地上絵を配置し、そこに順番が振ってある。この順番に飛ぶので、あらかじめ予習してくださいということらしい。

ところがこの地図、実は問題が。地上絵のサイズが地形図とはまったく異なるので、この地図を頼りに探そうとすると、地上絵がまったく見つからない。

これに気付いたのは1番クジラを見たとき。まず自分のサイドから旋回していたのだが、近くのパンアメリカンハイウェイと枯れ川の流れっぽい地形を目印に探そうとするも、まったく見つからず。反対の側で旋回中にやっと見つけたが、この地図からの印象よりも、もっともっと小さい。

さらに、天候が良すぎたのか、地面が白く反射してまぶしく、しかもほぼ真上で旋回するので、地上絵の線のコントラストがほとんどわからないくらい。なお、このページの写真はコントラストや明るさを変更して見やすくしてます。こんな風には全然見えない。

(1) クジラ
最初の遭遇。勝手がわからずにまったく見つけられず。反対側の窓にちらっとだけ見えたが、実は意外にはっきり見える方。見つけられなかった最大の原因は、その小ささ。飛行機はかなり低空を飛んでいるのだが、それでも、手を伸ばした握りこぶし大ぐらいだった。

(2) コンパス
クジラが見つかってからは、どのくらいの大きさ、コントラストを探せばいのかが分かったが、今度はどれが本物かわからないくらいにいろいろな線や幾何学模様が見え始める。えーと、コンパスってこれ?

(3) 台形
台形的なものや三角形的なものが多すぎ。そこらじゅうにある。ある意味すごい。

(4) 宇宙飛行士。
逆サイドからだったので、特徴的な地形で見当をつけてからズーム。これは比較的うまく取れた。黒い山肌に白く線が浮き出ているのがはっきりわかる。

(5) サル
白い大地に白い筋で、良く見えない。グルグル模様が見えたような見えないような。そして、乗り物酔いの気持ち悪さが一気に襲ってくる。適当に撮ったら、写ってたのは車の轍だった。こんな紛らわしいところを走り回った奴は死刑にしろ。

(6) 犬
気持ち悪くて見てない。

(7) ハチドリ
これは一番良く見えると聞いていたので、気を取り直してトライ。うまく撮れた!

(8) クモ
これもコントラストが弱くて発見できず。逆サイドで一瞬だけ見えた。確認したら、偶然撮れてたけど、周囲の幾何学模様の方がはっきりしていてわかりづらい。

(9) コンドル
コンパスか台形のそば。肉眼では見えるのに、カメラのレンズ越しだと見えなくなったので適当にシャッターを切ったら撮れてた。もうこうなってくると、モチーフが隠されているだまし絵のよう。

(10) アルカトラス
これは肉眼では良くわからず、適当にシャッターを切ったら撮れてた。これも周囲の幾何学模様に隠れてるけど、下半分に良く見ると、首の長い鳥がいる。

(11) オウム(またはトンボ)
割とでかい。特徴的なピョンとした部分が良く見える。

(12) 手
パンアメリカンハイウェイそばの展望台が目印。遠くからの方が良く見える。真上に来るとコントラストが低くなって真っ白に見える。

(13) 木
(12)のすぐ隣。ふたつまとめてちゃんと獲ったつもりが、あまり良く撮れた写真がない。

 

こんな感じで、とにかく思ったよりもはっきり見えない。未だに新しい地上絵が見つかるというのも、さもありなんという感じ。車の轍らしいものの方がはっきり見えるくらい。いやー、たいへんだった。

ガイドさんの言う通り、地上絵の眺めを楽しむなら、肉眼に限る。

 


ミステリー・ワンダー・ランドのセンス・オブ・ワンダー[4] ピスコ離陸

2016-03-06 22:51:41 | ペルー

朝の10時頃にバスが到着したのはピスコ空港。新しくてきれいな空港だ。天候は晴れ。完全に夏。カラッとした空気だが、陽射しが眩しくて痛い。

ピスコ空港はナスカ遊覧飛行の基地だが、小型機を使うために飛行が天候に大きく左右される。このため、基本的に事前予約は受け付けておらず、現地にて申し込みの方式。混んでいる日には数時間も待たされるとのことだったが、なんとこの日は我々以外に2、3人程度。すぐに飛べるとのこと。

チケット発券前に、持ち込む手荷物だけを持って体重測定。これで座席が決まる。さすが、小型機。前後左右のバランスが重要。渡されたチケットは12番。

小さな空港とはいえ、仰々しい手荷物チェック後にゲート前で待つ。

待っている間に壁の説明や写真を見たところ、この空港はなんと国際空港。まだ使用されていない建物の2階にも立派なゲートがあり、大型機へボーディングブリッジがかけられるようになっているみたい。いずれはアメリカなどの外国から直接ピスコ空港に着陸して、そのままナスカ遊覧飛行へ乗り換えってこともできるようになりそう。

事前の注意では、写真を撮ろうとしてがんばると乗り物酔いがひどくなるので、できるだけ肉眼で楽しむようにしてくださいとのこと。子供の頃は乗り物に酔い易かったけれども、東京の満員電車に20年間鍛えられれたのか、最近は気持ち悪くなることもめったになくなってきたので、酔い止めを飲んだら大丈夫だろうと高をくくっていた。……このときは。

ゲートから灼熱の滑走路を歩いて移動。大きな空港に小さなプロペラ機。2人のパイロット。そして、12人の乗客。なんと、12番は最後尾の席だった。シートも普通の席じゃなくって、バスの最後尾のようなベンチシート。リクライニング無し。しかも、低くて足を延ばして座る感じ。シートベルトも3点支持のハーネス。これ、もしかしてやばい席?

小型プロペラ機は砂漠と雲の上を快調に飛行。思ったより揺れは少なく、まったく問題ない。心配して損したと思った。……このときは。

そして遂に、そのときがやってきた。

はい。見事に気持ち悪くなりました。

女性パイロットが英語と日本語で「ツバサのサキ。こっこ、こっこ、ココでーす」と、お前は『イッテQ』のイモトか! というアナウンスで翼を地上絵に向けてくれるのだが、最後尾からのせいで翼の先からかなりずれたところに見える。それを肉眼で見つけ、とっさにカメラを向けファインダーをのぞいてズーム。これが良くないらしい。

3つ目ぐらいから完全に気持ち悪くなる。ハーネス状のシートベルトをしながら窓に向かって身体をひねるので、首にベルトが食い込むのも気持ち悪さを加速。脂汗を流しながら首のベルトを片手で引き下ろし、必死でシャッターを切るも、いったいどこを撮っているのかわからないくらい。

地上絵に翼の先を向けて旋回を、左右1回ずつ繰り返すのだが、自分の側が先の場合は見つけられないことも。逆側の方で見つけて、周囲の地形を記憶。その後に自分の側であたりをつけた場所にズームして探す。という方法だとうまくいったが、そもそも気持ち悪いので、そんなにうまく撮れるはずもなく。

結局、肉眼でさえ見つけられないものもあった。この奮闘結果は次ページにて。

 


ミステリー・ワンダー・ランドのセンス・オブ・ワンダー[3] パン・アメリカン・ハイウェイ

2016-03-06 22:27:04 | ペルー

ホテルで仮眠の後、というか、シャワー後にちょっとだけくつろいだだけで2Fのレストランでへ朝食に。

コンチネンタル風とは聞いていたが、本当にパンとジャムしかない。保温容器は出ているんだけど、卵もフルーツも無い。飾りみたいにオリーブか何かがちょこっと置いてある程度。

そして朝の5時。まだ暗いうちにホテルを出発。あれ、これって昨晩の救出バスじゃないか。なるほど、代替のバスが早く着いたのはこういうことか。

バスはリマから南の港町、ピスコを目指し、海岸沿いをひた走る。

海岸沿いの丘の上には派手に電飾された十字架が。そういえば、この辺りって、謎の巨大カップル像とかもあるんだっけと思っても、暗くて何も見えず。

昨晩から付き合っていただいている現地ガイドさんも、とりあえず寝ましょうかという感じで、特に案内も無し。

バスはパン・アメリカン・ハイウェイをひた走る。この高速道路はアラスカから南米大陸の南端まで繋がっているのだそうだ。凄いですね。

途中で目立ったのは、巨大な養鶏場テント。面白いことに、新しいものから古くてボロボロずたずたのものまで順に並んでいる。これって、新しいのを建てたら古いのは放置しておくんですかね。

そして、途中の集落はなぜかどこも建築ラッシュの様相。最近地震でもあって被害が出たのかと思いきや、ペルーの家はほとんどが建築中のままだという。理由はいろいろ聞くけれど、お金が貯まったらちょっとずつ増改築しているので、いつまでたっても工事が終わらないということらしい。

大きな集落が見えなくなると、今度は荒地の上に校庭のように白線を引いてある区画が目立ち始める。区画の中にはバラックがあったり、何もなかったり。これは田舎から出てきた人たちが住むための場所で、ほとんどが不法占拠なんだと。

バラックの壁には、マークや名前が書いているところが多いが、「KEIKO」と書いてあるのが眼を引く。これは、アルベルト・フジモリ氏の娘、ケイコ・フジモリ氏のことらしい。今年(2016年)は大統領選挙があり、ケイコ・フジモリ氏は有力候補なのだそうだ。日本人向けのリップサービスもあるのだろうけど、フジモリ氏の業績はペルー旅行中に何度も耳にすることになる。

人が住めるのかどうかもわからないバラック小屋とは対照的に、ゲーテッドコミュニティのような場所もいくつかあった。「アジアンリゾート」なんて看板もあって、何じゃこりゃな感じ。後で調べたところ、この辺りはアジア郡という地名で、リマの人たちにとってのリゾート地らしい。検索したらあったよ、たぶんこれだ。それにしても、紛らわしい。

途中のトイレ休憩はガソリンスタンド。併設の売店は小さめ。インカコーラやコカコーラを売っている。あんまり民俗的な感じはなく、アメリカのロードサイド文化(というか、コカコーラ?)に染まっているただのガソリンスタンド。巨大なモンスターエナジーがあったけど、それって飲み過ぎると死ぬやつじゃ……。

街中に入ると、かっこよく漢字が書かれた車を発見。さすがにこれは日本の中古車じゃなくって、自分で書いたんだよな。

原付三輪車も多く見かける。ピスコ周辺だと赤い三輪車両が多いので、これは赤いものなのだと思っていたら、他の土地に行くと今度はほとんどが青かったりしておもしろい。これは流行の問題なのか、大量生産のせいなのか。

そんな感じで、バスはピスコへ到着。