神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] フォース・カインド

2010-01-11 21:22:12 | 映画
『THE 4TH KIND フォース・カインド』 - goo 映画


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『彼岸島』を見ようかとも思ったのだが、ちょうど成人式終了後だったので新成人がうるさいかもと思い、穴場の『フォース・カインド』を鑑賞することに。

アラスカの片田舎で実際に起こった集団UFOアブダクション事件(第4種接近遭遇)を元に、ドキュメンタリー形式で再現したという触れ込みの映画。

S-Fマガジンでも紹介されていたが、ミラ・ジョボビッチ主演にもかかわらず、B級ホラー臭がプンプンする(笑)。しかし、内容は意外にもきちんとした造りで、実際のビデオ映像(と称するもの)と、ミラ・ジョボビッチの再現映像をスクリーンの左右に分けて同時に表示したりするなど、映像的にもおもしろいつくりになっている。

主人公、アビゲイル・タイラー博士本人と称するインタビュー映像の女性が怖すぎ。異常に白い肌、青白く薄い唇、怪しい眼光……。これは作りすぎだろう、と思っていたが、アブダクション被害者へのインタビューがしっかりした造りのせいで、だんだん本当っぽく感じられてくる。そういえば、矢追純一の番組か、たけしの番組で、“アシュリー事件”とか聞いたことがあるような、ないような……。

ところが、退行催眠で“被害者”がポルターガイストっぽい動きを見せ、シュメール語で“Father”に“GOD”と来ると、これはもう、少なくともUFOアブダクションとしては嘘っぽさが急上昇。FBIの捜査官投入数の話などが後付で出てきても、説得力が無くなってしまう。

世の中の人々はどうして科学的可能性を残したネタ(UFO、UMA、オーパーツ、その他もろもろ)と、ファンタジックでオカルトで宗教がかったネタの境目を気にしないのだろう。これはSFファンだからこそ、そう思うものなんだろうか。たいていの人はなんでもオッケー体質か、どれもありえねぇと鼻で笑うかのどちらかだ。ファンタジーはともかく、サイエンスとオカルトは水と油のはずなんだが……。

確かに、SFとしても、ホラーとしても、いわゆるB級映画的な楽しさも中途半端な映画になってしまっている。しかし、“アブダクションという現象”をメインとして見た場合、個人的は評価は割と高めである。

題材となっている事件は、被害者数の多さを除けば、典型的なUFOアブダクション事例である。そしてまた、その“被害者”への退行睡眠が、本当の記憶の再現ではなく、偽物の記憶の植付として働く可能性があるということも、最近では主流的な考え方になっている。したがって、その最終的な嘘臭さも含めて、UFOアブダクション事件を忠実に再現した映画としては非常に興味深かった。

製作意図に合致するかどうかにかかわらず、これは一回ひねった上での、忠実な“第4種接近遭遇”再現映画なのである!