今週の旧作DVD鑑賞は、2008年に映画が公開された、堤真一主演のクライマーズ・ハイです。
1985年8月12日に発生した歴史的な航空機事故である、日本航空123便墜落事故を題材に、事故現場である群馬県の架空の地方新聞社で大惨事を取材する、新聞記者の奮闘を描いた作品です。
事故当時、まだ自分は子供だった事もあり、その背景等の詳細までは理解していませんでしたが、真夏の間、テレビも新聞もずっとそのニュースを取り扱っていた記憶があります。
フィクションですが、原作者が新聞記者時代に実際に遭遇した、日本航空123便墜落事故を題材していることもあり、すごく迫力があって、かなり作品の中に引き込まれました。
作品の中で、社内政治絡みから(この島国の村社会では、よくありがちな足の引っ張り合いですが)、本来スクープになるはずの事故翌日の現場取材記事を、上司の妨害工作に遭って原稿が間に合わず、事故を報道する目的と意味を失いかけていた主人公が、新聞を買い求めに来た事故遺族の姿を目にし、遺族に少しでも多くの情報を届けようと、この仕事をしている本来の目的を見出す場面が印象に残りました。
自分も音楽をやっていて、何の為に歌うのかわからなくなり、曲が書けなくなった時期がありますが、自分のこの歌を聴いて欲しい相手、歌いたい理由が明確になったことで、再びフレーズや言葉が浮かんでくるようになったことを思い出しました。
事故から四半世紀以上の年月が経過しましたが、あのような惨劇を繰り返さないために、事故を風化させない為に、このような作品が世にでることは、すごく意味があると自分は思っています。