福島原発事故について、ドイツでもトップニュースになっています。
ドイツは一昨年頃から、これまでの原発縮小論から一転させ、再度原発は必要だという政策を進めてきましたが、今回の福島原発事故をきっかけに、原発政策の再見直しを表明しました。
ルフトハンザドイツ航空は、これまでのフランクフルト=成田の直行便を、ソウル経由へ変更し、当面自社スタッフを東京にSTAYさせないことも検討しているそうです。
そういったドイツ国内の論調が影響しているのか、チェルノブイリを引き合いに出し、日本は危ないから自国民(ドイツ人)は早く脱出すべきだとか、今日本に行ってはいけないとか、日本に家族がいるならドイツに呼び寄せた方がよいといったことを、周りの知人のドイツ人から言われたりもします。
しかしそれは、福島原発の現状を踏まえた上でのコメントなのかかなり微妙で、いたずらに不安を煽っているものも多いように思えます。
(ドイツ語のニュースをあまり見ないので、ドイツ人からの伝え聞きですが)
このような事態でもちろん最優先されるべきは、国民の安全と命。
そしてその次には経済を含めた、国民の生活への影響対策です。
今日も近所のドイツ人から、「日本政府は情報を隠しているに違いないから、政府から出される情報は無視して、早く日本の家族をドイツに呼び寄せなさい」と言われました。
どこかの共産圏の国と日本を一緒にしないで欲しいという思いと、無関係な人達にこんなこと言わせている日本政府の情報公開レベルに、正直苛立ちを覚えています。
(近所のドイツ人は親切心から言ってくれたのだとは思いますが)
先程、日本時間の深夜5時台に、政府と東電が一体の対策本部を設置することが発表されました。
また日本政府が国際原子力機関(IAEA)に、専門家を派遣するよう要請したことは、ドイツでも話題になっています。
菅総理が東電本社に乗り込んだ映像を見ても、「もう東電には任せておけない」ということなのでしょう。
今は必要以上に日本国民、そして世界に対して不安を増長させないためにも、まずは日本政府がしっかり情報開示をし、国内外の専門家の英知を集めて、最善の対策を打って欲しいと思います。
今起きているのは、日本のみならず、世界の歴史にも刻まれるであろう、大きな事態です。
後世に賞賛されるような対応を日本政府がしてくれることを、心からお願いするとともに、今回の問題が少しでもよい形で解決されることを、強く強く祈っています。