先週末はウクライナのキエフを訪れました。
昼間は聖ソフィア大聖堂でギター片手に歌っていましたが生憎の雨。
元社会主義国らしい不親切な対応や、英語が全然通じなかったことも重なって(ウクライナ語かせいぜいロシア語位)、今回は本当についていないなと思っていたのですが、それでも自分の歌を聞いてくれた人達との暖かい触れ合いもあり、まあこんな日もあるかなと土砂降りの雨の中にも小さな希望をかすかに見つけかけたそんな折。
しかしこの日偶々自分がとまったホテルがキエフの独立広場前。
そしてこの夜ポールマッカートニーの「Independence Concert」と称した無料コンサートがこの広場で開かれ、本当に偶然にこのフリーライブに参加することができました。これはついてないどころの騒ぎではない。
この独立広場はウクライナが民主化へと進んだオレンジ革命で有名な場所。
ご存知ウクライナは旧ソビエト連邦の国。
この旧ソ連の国の独立広場で、ポールマッカートニーと10万人のキエフ市民と「Back In The U.S.S.R.」を一緒に歌うことができました。(笑)
当初9時開演とのことでしたが、豪雨の影響でしょうか、実際に始まったのは10時近くでした。
本当に滝のような豪雨で足元には水溜り。上から下まですっかりびしょ濡れ。
最初はポールのソロ後の曲とビートルズ時代の曲が3対1位の割合で進みましたが、雨が上がった11時頃からは観客もヒートアップし、後半は殆どビートルズの名曲ばかりで、12時過ぎに終わってみれば、全体の約3分の2、Lady MadonnaやPenny Lane、GetBack等計20曲以上がビートルズの曲でした。
ビートルズ時代と同じくリッケンバッカーのベースを持って現れたポールでしたが、途中からレスポール持ち替えたと思えば、Somethingはマンドリン(ウクレレだったかも?)をプレーし、Let It BeやThe Long And Winding Roadではジャジーなピアノを弾きながら歌い、Yesterdayはアコースティックギター1本での弾き語りでした。
さすが元祖?マルチプレイヤー!
リハビリ半年を経てようやく形になってきた自分も、ピアノの弾き語りがしたくて体が疼いたほど。
(実は10年強のギターに対して、ピアノは5歳から始めて実働20年。もっとも最後にLiveで弾いたのは大学時代ではありますが。。。)
その他、A Day In The Lifeをビートルズ時代のレコードと同様、現代のテクノロジーを駆使してLiveでそっくりそのまま再現したり、Hey Judeをポールとキエフ市民と一緒に大合唱したときには、正直涙がちょちょ切れそうになりました。
この日のポールはフリーライブということもあったのかもしれませんが、明らかに「The Beatles」であろうとしていました。
ポールマッカートニーも65歳となり、人生の終わりを意識し始めている頃だと思います。
その音楽キャリアの最終章に、もう1度The Beatlesとして人々の前にその姿を焼き付けようとしているのかな、、、とそんなことを感じました。
自分もThe Beatlesに多大な影響を受け、今なお路上ではよくそのカヴァーを歌ったりしますが、こうしてこのキエフで偶然「The Beatles」としてのポールのライブに参加できたのは、「運が良い」という言葉では片付けられない何かを感じます。
何だかよくわかりませんが、自分の背中をポーンと強く後押しされたような感じがしています。
ギターを抱えての旅で先週末訪れたウクライナのキエフですが、ただの100分の1ではない大きな何かをもらったような気がしています。
最近少しブルーになる出来事がありましたが、頑張ってまた強く歩いていくことを誓ったそんな1日でした。
P.S.
ポールのこのライブでびしょ濡れになったおかげで、しっかり風邪をひいてダウンしています。
もちろん本日も仕事はちゃんとこなしましたけど、頭イタイ、、、。(汗)
※写真:この日のライブでとった1枚