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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

“無理やり感”が目立った「24時間テレビ」

2011年08月23日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「テレビとはナンだ!」。

今週は、日テレの「24時間テレビ」を取り上げました。

おつかれさまの徳光さんですが、確かに休憩ばかりしてましたね(笑)。


節電の夏に無理やり感が目立った
“局を挙げての特番”


日本テレビ「24時間テレビ 愛は地球を救う 力」が放送された。

あれこれ言われ続けながら34年。

今年は障害者支援に東日本大震災への支援の大義名分が加わった。

とはいえ、日本テレビを辞めた人(いまやテレビ朝日の看板・羽鳥慎一)と辞める人(今月末に退社の西尾由佳理アナ)が司会をしている珍妙な図には苦笑するしかない。

しかも、24時間マラソンを走るのは日テレOBの徳光和夫だ。

とても〝局を挙げての特番〟には見えなかった。

24時間を埋めるために多くの企画が並ぶ。

震災関連では「三陸の漁師に漁船を贈る」「石川遼が石巻で特別授業」などには意味を感じたが、例のマラソンや「盲目少女のアフリカ・キリマンジャロ登山」は無理矢理感があった。

うそ寒さを感じた企画も多い。

また、呆れたのは土曜深夜からの「朝までしゃべくり007」。

くりぃむしちゅー、ネプチューンなどが延々6時間も馬鹿騒ぎを続けていた。

なんといっても節電の夏だ。

「深夜から朝までこの番組も休止します」とでも宣言したら見事だったのに。

そして、「流れるはずだったCMの料金は被災地への義援金とします」と言って企業名を読み上げるのだ。

さらに、「テレビを消して家族で震災や原発事故について話し合ってみて下さい」と。

視聴者、被災者に与える印象はより強いと思う。

(日刊ゲンダイ 2011.08.22)