現在、留守の間にたまった新聞を確認・整理中。
その中に、『読売新聞』に掲載された、東海テレビ「セシウムさん」問題についてのコメントがあった。
出かける前のものだが、見逃していたらしい。
記事全体は、11日に行われた東海テレビ社長の記者会見に関するもので、引責辞任を否定したことが軸になっている。
私が気になったのは、「何が問題か」は未整理のまま、とくかく早目の“処分”と番組“打ち切り”で、世間の避難をかわそうとする姿勢でした。
問題は現場の感覚~識者コメント
記者会見の内容について、碓井広義・上智大教授(メディア論)は、「問題の本質は、非常識なテロップを作って遊ぶ現場の感覚だ。そうした問題に踏む込まず、単なるミスと捉えて打ち切りなどを決めたのなら安易な判断だ」と指摘。
「視聴者は、『ふざけ心』が通用する放送局の感覚や良識を疑っている。今後の検証番組で、テロップが放送されてしまった技術的な経緯の説明に終始することになれば、視聴者に完全に見放されることになるだろう」と話した。
ジャーナリストの田原総一朗さんは、「多くの人が視聴する番組を作る緊張感が制作スタッフに欠けていたのは明らか。番組の打ち切りや関係者の処分は妥当な判断だ」と語った。
浅野社長の進退については、「番組の制作手法自体が問われた過去の不祥事とは性質が違う。引責辞任までは必要ないと思う」。
経済評論家の森永卓郎さんも「たとえリハーサル用でも人を傷つける言葉を使うべきではなく責任は重い」とした上で、「東海テレビの他の番組で同様の問題が横行していないのなら、社長が即座に辞任すべき問題とは言えないのではないか」と述べた。
(読売新聞 2011.08.12)