(週刊新潮 2011.01.13号)
先日『週刊新潮』から、テレビ朝日の年末特番「池上彰の学べるニュース生放送!」に関して取材を受けた。
12月31日の夜、6時間半に及ぶ長尺で放送されたわけだが、視聴率は前半が8.6%、そして後半は8.1%だった。
この数字について問われたのだ。
私としては「せっかくの内容なのに、”置きどころ”が残念でした」に尽きます。
6日発売の掲載記事の見出しは、『大晦日は勝手が違った苦杯「池上彰」講義』。
記事本文には、大みそかに“池上台風”が吹き荒れるか、と各局は戦々恐々だったが、いざ蓋を開けてみれば上記のような結果だった、とある。
そして、私のコメント部分は・・・・
「池上さん起用という志は買うが、浮世を忘れて笑うか音楽を楽しんでいたい大晦日に、浮世の話題を拝聴するのはきつい。
それが苦戦の理由です。
29日か30日放送だったら、視聴率は軽く2ケタいっていたはず」(碓井広義・上智大学教授)
それでも視聴率に大きな上下がないあたりはさすが。人気は当分続きそうだ。
(週刊新潮 2011.01.13号)
そして、驚いたことに、同じ6日の夕刊紙に「池上彰、レギュラー降板!」という記事が載ったのだ。
NHK出身のジャーナリストで、いまやテレビのニュース系バラエティー番組に欠かせない池上彰氏(60)が、今年3月末でテレビのレギュラー番組を降り、特別番組に専念する意向であることが6日分かった。
池上氏と親しい関係者によると、「レギュラー番組があるので、ジャーナリストとして海外などに行けず、足を使った取材の時間が取れないのがつらい」と話していたという。
また、著書の執筆に時間を充てたいということも理由という。この関係者は「これまで通り、特別番組には出演していくと話していた」としている。
池上氏は現在、テレビ朝日系の「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」(水曜日午後8時)にレギュラー出演中。同局は「そのような事実はありません」とコメントしている。
(夕刊フジ 2011.01.06)
・・・・記事の通りだとすれば、「さすが池上さん」という感じだ。
テレビに消費されるのではなく、自らの意志でメディアを選択しながら、インプット&アウトプットをしていこうという、堂々の“宣言”である。
同じく夕刊紙『日刊ゲンダイ』の記事には、「テレビ界に激震」の見出しと共に、池上さんの降板で「どうでもいいバラエティーばかりのテレビから池上が消えたら、見る番組がなくなる」という“切実”な意見も載っていました。
いや、大人の視聴者にとっては、あながちオーバーな表現ではありません(笑)。
(日刊ゲンダイ 2011.01.06)