碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「成人の日」と山口瞳さん

2011年01月11日 | 本・新聞・雑誌・活字

10日は「成人の日」だった。

そういえば、2年生ゼミの学生の中には、成人式のために故郷へ向かったメンバーも多い。

我がゼミ生に限らず、新成人の皆さん、おめでとうございます。


「成人の日」と聞いて、例によって思い浮かべるのは、山口瞳さんが書いていたサントリーの新聞広告だ。

山口さんが亡くなったのは95年の夏。

この年の成人の日に、以下のような文章を寄せている。


今日から新成人になった諸君、おめでとう。
これで一人前だ。
酒も飲める。
大いにやろうじゃないか。

   (中略)

ただし、ひとつだけお願いがある。
酒場では静かに飲んでくれ。
一気飲みなんかで騒いだり暴れたりしないでもらいたい。
一日の疲れを癒すために
一杯のハイボールを飲みにきている
大人のサラリーマンもいるんだから・・・。
それがわかったら、まあいいや。
乾盃しよう。
今日は一日大いに飲んでくれ給え。



・・・・15年を経て、ハイボールも復活の兆し(笑)。

20歳になったから、成人の日を迎えたからといって、ひとは「大人」になれるわけじゃない。

しかし、「大人」を目指すことは出来ると思う。

一番の近道は、今日から山口瞳のエッセイを読み始めることだ(笑)。

「人生には、ルールはないが、作法(マナー)がある」。

ぜひ、いい「大人」に、プロの「大人」になっていってください。