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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

<言葉の備忘録>7 和田夏十『和田夏十の本』

2010年05月24日 | 言葉の備忘録

詩人の谷川俊太郎さんが編んだ『和田夏十の本』(2000年 晶文社)。

大学のキャンパスで行われていた、何かの寄付を集めるバザーで入手した。

和田夏十(わだ・なっと)さんは、映画『ビルマの竪琴』や『炎上』の脚本家で、市川崑監督夫人だった。

1983年、62歳で亡くなっている。

この本には、エッセイの他に、『炎上』『黒い十人の女』のシナリオなども収められている。


明日泣くのはよそう、明日になって泣きたくない。明日泣かないでいる為には、今日これをやっておかなくてはいけないだろう多分。今日この面倒なこと、いやなことをやりとげておかなければいけないんだ、となる。
――和田夏十『和田夏十の本』


井上ひさしさん追悼公演

2010年05月24日 | 舞台・音楽・アート

女優の熊谷真実さんから、舞台の案内をいただいた。

井上ひさしさんの追悼公演『黙阿弥オペラ』である。

真実さんは、4月から行われている井上さんの<東京裁判3部作>一挙上演のうち、『夢の裂け目』と『夢の痂』にも出演している。

この評伝劇『黙阿弥オペラ』は、これまで一度も観ていない。

「月も朧に白魚の篝の霞む春の空…」あの名台詞を生み出した歌舞伎狂言作者の最後の巨人・河竹黙阿弥。ひょんなことから、そば店主とら、ざる売りの五郎蔵、噺し家の円八、不良少年の身投げ小僧、浪人者の及川孝之進らと意気投合したのは江戸も末。時は明治に移り、文明開花に巻き込まれ、世の変転に右往左往の仲間たち、ついに我等が黙阿弥にオペラを書くよう迫りだす・・・。

7月18日から8月22日まで、新宿南口の紀伊国屋サザンシアター。

まだしばらく先だ。

新国立劇場での『夢の痂』公演は6月。

その前に、先日出版されたばかりの『組曲虐殺』(集英社)も読んでおきたい。

プロレタリア作家・小林多喜二の生涯を描いた、井上さん最期の戯曲だ。