作家 井上香織 Official Blog

せつない純愛小説、やさしい目線で描かれたエッセイで人気の作家 井上香織が贈る癒しの空間 

「もしかして広瀬すずさん?」

2023-07-27 | ★Diary★

先日、母の整形外科受診のため、病院へ行ってまいりました。

予約時間の10分前に手続きを済ませ、

母とふたり広い待合室のいちばん後ろの椅子に腰かけ、

小声でおしゃべりしつつ名前が呼ばれるのを待っていると、

「もしかして、広瀬すずさん?」

通路側にいた母の背後から、男性の声が・・・

「・・えっ

驚いて振り返ると、そこにいらしたのは、

約10年前、そしてその4年後。2度にわたり母が骨折で長期入院中、

リハビリでお世話になった担当の先生でした 

「あら、先生、お久しぶりです」

「こちらこそご無沙汰です。お元気そうですけど、今日はどうされましたか?」

「3か月に1度、診ていただいていて。でも先生もお元気そうで」

「いやいや。もう年でね~っ。腰にきちゃって。大変なんですよ」

顔をしかめ大袈裟な動作で腰をさすり、私たちの笑いを誘いながら先生は、

「また転ばないように気をつけてね。

それから。座っているときも腹筋を意識するようにした方がいいですよ」

そうアドバイスの言葉を残し、爽やかに去って行かれました 

 

多くの患者さんたちの回復の手助けをしている彼は、

顔と施術箇所は覚えてはいるものの名前までは思い出せない・・というかつての患者さんに、

女性に限り

「もしかして、広瀬すずさん?」

声掛けのきっかけとして、いつもそうしていらっしゃるのかもしれません 


残念ながら、母は最近の映画もドラマも観ていないため、

先生の気配りがまったく響いていなかったようでした 

まだ待ち時間がありそうでしたので、スマホで【広瀬すず】を検索し、

彼女の画像を母に見せたところ、

「・・こんなに若くてきれいな女優さんなのねっ

苦笑いを浮かべつつ、まんざらではない様子でございました 


先生には・・・

退院したあと1年近くリハビリに通いお世話になったというのに、

お名前を失念してしまい、こちらこそ失礼してしまいました 

当時の母にとってリハビリは辛いことも多かったに違いありませんが、

彼のように明るい方がいてくださったからこそ、母もなんとか乗り越え、

現在のようにひとりで歩くことができる生活を享受できるようになったのではないかと

心より感謝しております 

また、このたびの素敵な心配り、ありがとうございました 


しかしながら。

もう二度と、母が転倒骨折し先生のお世話になることがないよう、

母の生活に気を配らなくては・・

そう強く心に誓った井上なのでした 

 

・・上の写真は母の庭のサルスベリ・・

 

追記

クリオさま、ソライロノタネさま

コメントいただき、ありがとうございました 

なぜかほかのホルダーに振り分けられてしまっていたため、

気がつくのが遅くなってしまい申し訳ありません 

ソライロノタネさんに、新たに教えていただいた花の名前は、

また後日、写真と共に掲載させていただきたく思っております 

コメント
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