明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

やっぱり「簡単すぎることはない」。

2009-02-09 00:04:33 | 生活
10日は私立入試。
ちょっと前に、私立専願の生徒が受かっていなくなっても
全然淋しくない……みたいなことを書いていたが、
撤回!!

今日は私の最後の授業だった。
やっぱりいつもと同じ。
もうこの子を教えることはないんだなぁと思うと、なんだか淋しくて。
「この子」というよりは、「この子のいる空間」ではなくなるということかな。

Cクラスは半分くらいが私立専願だから、
本当に淋しくなる。
やっとクラスとして団結し始めたのに、もう終わり。

いつも思う。
まだ15歳の子供は知らないんだ。人との別れを。
何の確証もないけど、塾を辞めてもまた会えると感覚的に思っている。
というか、会えるも会えないも考えていないと思う。
でも、大人は知ってるから。
この生徒のほとんどともう二度と会うことはない。

これまでに見てきた何百人という生徒のうち、
卒業後に会った生徒は数えるほどだ。
今どこで何をしているのかもわからないし、
女の子なんて街で会っても全くわからないだろうなぁと思う。
(化粧とかするし、女の子は変わるから)

人が人生で出会う人の数はあまりに多いから、
繋がっていようと思ったら、お互いに深い情熱を持ち続けなければならない。
そうでないとあっという間に途切れてしまう。
そのことを大人は知っている。
だから、淋しいのだと思う。

ひのきにいると、2月、3月はいつも「愛しい時間」になる。
あんなにやる気のなかった生徒が真剣に問題を解いている。
その姿を見ていると、いつも愛しさでいっぱいになる。
かわいくて、かわいくて……ヤバイ

やっぱり「ひのきの本」を書かないとダメだな。
そして、それを橋下知事に見せたい。
陰山先生の言うように、年々、本当に「読み書きそろばん」の基本的な学力の低下が激しくなっている。
今日でも、3500円の3割引がいくらになるのかがわからない生徒がたくさんいた。
「服買うとき困るやろ~?せっかくセールになってるのに」
と私が言うと、
「うん、だからいつも『いくらですか』って店員に聞くから」と言う。

……いいけどさ

でも、やっぱりそれくらいは知っていてもいいと思うのだ。
そして極めつけに一人が
「勉強しとくわ。俺、服屋で働きたいし」と言った

そりゃ、あんたは絶対知っといたほうがいいな……(笑)

橋下知事は「情報」だけで「大阪府の学力が低い」というけど、
やっぱりこの現状をしっかり見てもらわないと。
知事が感じているよりずっと深刻だと私は思う。
本当に、基本的な漢字の読み書き、小学生レベルの少数・分数の計算ができない生徒がどれほどいることか!
中3で「境内」とか「納屋」とか「家屋」が読めない生徒がたくさんいるんだから。

ひのきには大阪府からちょっとくらいお金が出てもいいんじゃないか?(笑)
かなり学校の先生ができていないことを助けていると思うのだけど。
まあ、学校の先生も大変だとは思うし、自分は死んでもやりたくない職業だから偉いなぁとは思うけど、本当に適当な先生もいるから。
それは生徒もわかっていて、同じ数学の先生でも「お前は○○先生の数学やからいいやん。俺は△△やで」みたいな話が出る。
生徒の評価ってシビアだ。

とにかく入試シーズンだ。気を抜けない。
今日も朝から授業で、家に帰るともう6時前。
授業は3時までだったのだが、その後、自習をみていた。
自分から勉強したいと言ってくれるのだから、それにはなんとか応えたくて。
私立は受かることが決まっているので問題ないが、
公立は本当にガチだから、とても心配

でも、何年やっても、何度教えても、時代が変わっても、生徒の質が変わっても、やっぱり一つだけ不変のものがある。
それは、「わかれば楽しい」ということ。「簡単すぎることはない」のだ。

今まで解こうと思ったこともない古文の問題。
面白い話を選んでゆっくり内容を話してやる。
もうほとんど答えを言っているのだが、考えさせるようにする(これが長年の講師経験で培ったテクニックだな

案の定、「なんや!意外に簡単やん!」と生徒が言い始める。
この言葉を聞くといつも「よっしゃ!!」と心の中でガッツポーズだ。
ほんまはほとんど答えを言ってるんだけど……。
さらに「わりと面白いな」なんて言われたら、嬉しくて舞い上がってしまう。

数学でも一緒。
全部○がつくと嬉しそうな顔をするのは、昔も今も変わらない。
「ほとんど○やったで~」と自慢げに言う。
「そっか!すごいやん!」と言うときの私の満足感といったら!!

こういう日は、堀先生がひのきをたたむまでここにいようかなぁという気持ちにもなる。

なんてね。(ヤバイ、ヤバイ、本気にされる

とりあえずあと少し!
今年も全員受からせたい、どうしても。
たった15歳で挫折なんて感じさせたくないから。

とはいえ、自分の仕事は相変わらずギリギリの毎日で。
来週も取材が2件。
そして、例の冊子はまだ続いている。
もういつから休んでいないのかわからない。
でも、結局のところ、自分はこうやってひたすら仕事をしているのが好きなんだと思う。

そして、1日のうちにこうやって30分でも好きなこと(仕事以外のこと)が書ける時間を作ること、それでなんとか自分を保っているような気がする。
あ、あとは酒と本とBLUESだね。


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