明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

文学少女への道、再スタート!

2007-07-31 19:40:29 | 仕事
この1週間くらいで、漫画を80冊読んだ。
さすがにもうお腹いっぱい・・・食傷気味。

でも、なんでも「トコトンやる!」ってのはイイ。
ちょっとスッキリしている自分がいる。

今日からは漫画をやめて、学生の頃に読んでいた「文学」を読むことにした。
それこそ、「文学史」に載っているような作品だけでも山のように本棚にある。
漫画80冊どころじゃない。

何から手をつけようかと本棚を開いて迷う。
やっぱり川端康成か。
いやいや、ここは漱石だろう。
学生時代、ハマってしまった堀辰雄はどうだ?
ここは無難に谷崎からか・・・。

そうして悩んだ結果、選んだのは、小説の神様・志賀直哉だ。
私の「文学少女(?)再スタート」に相応しい。
まずは「暗夜行路」から。

本棚を開いたついでに、私が日本語の美しさに最初に打ちのめされた、森鴎外の「舞姫」の一節を読む。
エリスと初めて出会うシーン。
高校の国語の時間に教科書で読んで、世の中にこんな美しい文章があるのかと思った。感動で震えが止まらなかった。
今読んでもやっぱり同じ感動がある。

自分の中に「文学」を取り戻そう。
随分遠回りしたけれど、やっぱりここに帰ってきた。

仕事は生活のため。
自分の文章は、自分の存在のため。

そうわかってから、気持ちは随分楽になった。
楽になると、仕事もまたうまくいき始めたように思う。

今日は新しく契約したデザイン事務所での最初の仕事。
代表のOさんと一緒に、某広告会社へ。
ライティングの仕事なので、私のために動いてくれたようなものだった。
昨日の今日、の関係なのに、ありがたい・・・

一応、競合というか、何社かきているみたいだったけど、
Oさんのスペシャルトークとアピールで、ほぼうちに決まりだな、と思った。
私一人だったら、とれていない仕事だ。
80ページ以上ある靴のカタログ。
やっぱりページがあるものを創るのはいい。
靴80足のコピーを書くことになるが、楽しみだ。

最初の仕事なので、自分のライター人生を賭けていいものを創ろうと思う。
自分はずっと「仕事ができる女」と思っていたけど、
最近、それは間違いだったと気付く。
井の中の蛙というか、小さな世界しか知らなかったのだ。

でも、一生懸命やろう。
どんなことも手を抜かない、全力。
このやり方だから、今まで信頼をうけてきた。
これからもそうだ。

何の才能もない凡人が、認められるような仕事をしようと思ったら、全力で向かい、人一倍努力するしかないのだから。

だけど、「自分の文章」は、もう誰にも認められる必要がない。
私だけのものだ。

岡本太郎は言う。

   自分の好きな音を勝手に出す
   出したい音を出したらいい。

   まっさらな目をもて!そして、目的を捨てろ!

   芸術なんてもの、それを捨てたところから、開けるものなんだ。

   「私も描けたらいいな」と思ったら、描いてみるんだ。
   いや、書いてみなければならない。
 
   人に理解されたり、よろこばれようなんて思うな。
   むしろ認められないことを前提として、
   自分を猛烈に突き出すんだ。

   ぼくは、人に好かれる楽しい絵を描こうとは思わない。
   それよりも猛烈に叫びたい。絵の中で。

   芸術というのは、認められるとか売れるとか、
   そんなことはどうでもいいんだよ。
   無条件で、自分ひとりで、宇宙にひらけばいいんだ。

   もし自分の敵があるとすれば、画商や批評家や
   画壇なんてものじゃなくて、自分自身なんだ。

   焦るな
   人のために美しいものをつくるというよりも
   生命のしるしを、自分に確かめる


以前は、頭で理解できても、心でわからなかったこれらの言葉が、今は感動的に「わかる」。
無条件で、自分ひとりで、宇宙にひらけばいいんだ。
それがわかった瞬間から、どれほど楽になっただろう。

この間、駅の改札を通るとき、数年ぶりに、
自分の中に「物語」が生まれた。
とても、幸せだった。

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