明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

少しだけ距離が縮まったと感じた日

2011-12-09 22:06:26 | 仕事
今日は夕方、某企業の社長取材だった。
社内報の掲載記事なのだが、もう2年近く取材させてもらっている。

最初はどう接していいのかわからない社長さんで、正直困っていた。
取材の日は憂鬱になることもあった。
私のほうを一切見ようとしないので、「嫌われているのかな」と思ったこともあった。

これまで多くの社長や会長と呼ばれる人と接してきたけれど、
なんだかちょっとタイプが異なり、話題も見つからず、自分の出方もよくわからないまま何ヶ月も経った。
取材後はだいたい自分の無能さに落ち込んだ。

そんなとき、いつも助けてくれたのが、編集の女性だった。
よく取材に同行してくれ、盛り上げ役を買って出てくれ、楽しい場を作ってくれた。
私がその社長を苦手としているのに気づくと、
「私はあの社長好きやで。すごい照れ屋やと思うねん」と言って、イメージを変えてくれた。
あの言葉は本当にありがたく、社長の言動を「あ、これは照れてやってるのかな」と思えるようになった。
そう思ったら、「嫌われてる」とか「無能と思われてる」とか、変にマイナスにとらえなくなり、
取材後も落ち込むことがなくなった。

そして、最近になって、ようやく社長のほうでも私に慣れてくれたように思う。
前回の同行は編集の女性ではなく、その上司の方で、社長といろいろ話が盛り上がっていたのだけど、
話が記事の内容になると、社長は私が原稿を書いていることはわかってくれているようで、
ちゃんと私のほうを向いて、「こういうふうに書いて」と言ってくれたのだ。
2年やってきて、初めて自分がこの記事に関して役に立っていると思うことができた。

今日も追加取材だったのだけど、記事の話になれば私に向かって「ここはこうして」と言ってくれる。
いったん目を見て話してくれるようになると、記事とは関係ない話でも、私に向かって話してくれた。
今日はカジノの話をいっぱいしてくれ、帰り際、「他のネタもあるで。今度はまたそれするわ」と言ってくれた。
ちょっとだけ、距離が近くなった気がして嬉しかった。

よかったなぁ・・・と、ちょっとほっこりしながら家路を辿る。
今日こうしてうまく取材ができたのは、
私が早く馴染めるようにといろいろアピールしてくれて、
いつも場を楽しく盛り上げてくれた編集の方のおかげだな、と改めて思った。
心から感謝

私は本当に人に恵まれている。

前回書いたハッタリの話じゃないけど、私は専門分野を持たない「何でも屋」の部類に入るライターだから、
いろんなことを勉強していかないといけない。
大変ではあるが、逆に言えば、いろんな世界を垣間見ることができるし、いろんな業界の人にも出会える。
そして、自分の知識を広げることもできる。
ライターって、いい職業だなぁとつくづく思う。

高校時代はさんざん遊んで、1年浪人して大学行って。
就職活動も一切せずに、卒業したら1年、塾の講師やりながらぷらぷらしていて。
毎日、ラムやウイスキーをあおって

ようやく働き始めたのが24歳の終わりくらいだったか?
名刺屋に飛び込んで、「フリーライター」の肩書きの名刺を作ってもらった。
あれからもう16年か・・・

一番最初の仕事は、小学ポピーの国語の問題集を作ることだった(笑)
全然ライターじゃないし・・・
でも、この仕事は教科書改正(4年に1度)のときに、1年半~2年くらいかけてやるんだが、
なんやかんやで10年のうちに3回(つまり6年近く!)やったな。
月に10万くらいになったから、辞めるに辞められなかった。

一番最初にやったので、もう少しライターらしいのは、「まっぷるマガジン」の京都の取材記事だったなぁ。
店探しからアポとりまで自分でやって、カメラもやって、記事も書いて・・・
「るるぶ」もやったけど、めっちゃ安くて(笑)

25歳の夏の終わりに、なぜか突然、「このままじゃ堕落する!」と思い、
初めて「とらばーゆ」を買いに行って、そこに掲載されていた社内報の制作会社の面接と試験を受けて、
「正社員」の募集を「会社勤めは無理!!」というとんでもないワガママを言って、
なぜか話のわかる社長だったものだから、
「契約の形はどうだっていい。良い物を作ってくれればそれでいい」と、フリー契約で仕事をもらえるようになって、
そこから10年・・・
途中で会社の社長が代わって、辞める間際にはいろいろあったけど、この会社には本当にお世話になった。
あの10年がなかったら、今の社内報制作の仕事はもらえてないと思うし、
今日のような社長取材もしていなかったと思う。
辞めてからも結構モヤモヤしていた時期が長かったけど、今は単純にあの会社には感謝しているし、
なぜもうちょっといい辞め方ができなかったのかな・・・と反省すらしている

しかし、作家になりそこなって、思いつきでフリーライターになったけど、
あれは間違いじゃなかったな、と思う。
私はライターの仕事がすごく好きだ。
いつもいつも楽しい

自分が一生をかけていいと思うほど好きな仕事に巡り会えたこと。
それがもうキセキのよう。
やっぱり感謝だな・・・


最新の画像もっと見る