明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

私の定番レシピ

2008-01-17 00:06:39 | 生活
まだまだ続く、忙しい日々。
私と同時に彼もいよいよピークへ突入。
昨日は私も朝から2件の取材。
帰って夜中2時まで原稿を書いて、ふらふらで眠って、
彼は明け方、タクシーで帰宅。

お互いに、また9時頃には出て行った。

昨日、1日中、パンしか食べられなかったので
(こんなことは久しぶりだ!!)
今日はなんとしても野菜を食べようと、
私の定番簡単料理をちゃっちゃと作って1杯。



・・・ん~
なんだか生き返る。
どれも5分か10分でできるものばかり。
料理ともいえない、平凡なお惣菜。
それでも、あの働き馬みたいだった私を10年支えてくれた、
私の定番レシピたち。

菜花のおひたしは、かつおと昆布からとった熱々の出汁をかけ、冷めるまで待ち、味をしみこませる。そこに、ちゃんと醸造されたお醤油をほんの少し。

大根はただ細めの千切りにして、大葉のみじん切りを添え、ドレッシングをかけただけ。

白菜はかつおぶしで煮込み、飲んでも美味しい味醂と醤油で味付け。そこに、放牧され、抗生物質など与えられていない鶏が生んだ卵を落とす。

ニラは油で炒め、オイスターソースと醤油で味付け。先ほどの卵でとじる。

ゴボウと人参はごま油で炒め、砂糖、味醂、醤油で炒め煮に。そこに胡麻をパラパラと。

質素だけど、すべて無農薬野菜で、
こだわりの調味料で作られた、
ある意味、今の世の中では、とても贅沢な料理でもある。

有機農法は、近い将来、世界を席巻するだろうか?
そうであってほしいといつも祈り、百姓にはなれない自分は、
ただ、応援の意味で無農薬野菜を宅配してもらい続ける。
こういう酔狂か変わり者か気取ってると思われるような人間がいなければ、今の有機農法は成り立たないからだ。

ああ、忘れてはいけない。
お酒は、秋田の「天の戸」を作っている酒蔵の、「五風十雨」。
私と彼の思い出の酒だ。

ちびちびと1杯やりながら、アテをつまみ、
今日一日を振り返る。

午前中は、初めて「ライター」の人を取材した。
面白い制作会社だった。

取材先の人もよかったが、今日改めてディレクターのAさんの力を感じた。
この人がディレクターで本当によかったと思う。
小さくて可愛くて、なのにパワフルで頭がキレて、コミュニケーション能力が高くて、仕事が速い。
こんな優れた人がいるんだと、いつも圧巻。
ソフトな対応、的確な指示。
私に少しでもこういうところがあればと、憧れてしまう。

午後の取材は、某大学の支援を受けて起業した25歳の社長の会社。
社員は1人だけ。
それも、その人は中卒(中学もほとんど行ってないらしい)でコンピュータいじりが好きな青年(現在18歳)。
WEB制作の会社をやっている。

社長はもちろん、その元ひきこもり(?)の青年が、とてもしっかりしていて。
久しぶりに目のきれいな人を見たなぁと思った。
私はすっかりオバサンになって、
「あら、そう~。若いのにねぇ。しっかりしてるわぁ」
と、取材も忘れて感心していた。

ちゃんとした理想的な経営理念を作っているから感動して、
社長にどこでビジネスを学んだのかと聞いたら、
松下幸之助の本を読んだという。

うーん。
パナソニックになったって、やっぱり松下幸之助の教えは続いているのだ。
経営者というより、商売の基本だからなぁ、あの人の言うことは。

簡単に言うと、その社長が掲げている経営理念は、
社会に貢献することと、社員の幸福。
そして、お客様の喜びだった。
単純なことだけど、そういうことを忘れて利潤を追求している企業が多い世の中で、救いを見たような気持ちになった。
某高級料亭や、北海道や三重県の某お土産や・・・
こんな単純なことを忘れてしまった商売人ばかりの世の中だからこそ、頑張ってほしい。
中国政府が新たに出した肉まんの基準は、異物が混入していないことなど、らしいしね(苦笑)

わずか25歳で自分の会社をもって頑張っている若者がいる。
午前中の取材で会ったライターさんも、制作会社の人たちも、みんな20代だった。
編集長ですら、わずか33歳。

毎日暗くなるようなニュースばかりだけど、こうやってしっかり覗いてみたら、いくらでも頑張っている若者はいるのだ。
私も負けられない。
若者よ、ガンバレ!!!
体が健康なら、どんどん働け!
私も年はとってるけど、がんばるから。

話が変わるが、
畑をやりたいなぁと、最近思うことがある。
私が今、一番関心がある社会問題は、食品偽造より、党首の欠席より、家族間の殺しより、この国の自給率だ。
それは、私が人並みはずれた食いしん坊だからかもしれない。
なぜ皆が落ち着いていられるのかが不思議だ。
既に地球温暖化の影響で、小麦が不作で高騰してるじゃないか。
重油のことばかり言われるけど、私にとってはこっちのほうが不安で仕方がない。

美味しいパンを食べ続けるために、今自分ができること。
残念ながら、私はそんなふうに自分本位にしか考えられない人間だ。
だけど、いつもそれを考えて実行して、パンを食べる。

無農薬野菜にこだわるのも、昔ながらの製法で作られた調味料にこだわるのも、全部それだけのこと。
健康とか安全とか、そんなことじゃなくて、
私はずっと美味しいものが食べたい!!
ただ、それだけのこと。
もう少し良く言うなら、どんなものごとでも、ちゃんとした本来の形に戻したい、そういう思いが強いのかもしれない。
意外にロマンチストなのだ、私は。

役割があると思う。
いつも思い出すのは、谷川俊太郎の物語。
働き者の野ねずみの中で、1匹だけ働かない野ねずみがいる。
だけど、飢饉があって仲間が飢えていくときに、
働かなかった野ねずみは詩を朗読するのだ。
そうすると、飢えていた仲間たちは飢えを忘れ、寒さを忘れ、また生きる希望を得る。

芸術家の存在をこんなにも正しく、そしてわかりやすく表してくれた文章はないと思う。

自分が芸術家だとは思わない。そんな傲慢さはさすがにない。
だけど、今日、25歳の社長を取材して思った。
私には、私の役割がちゃんとある。
私はそれをきちんとやっていこうと。
きっと、ひきこもりで中学も卒業していない彼も、WEBサイトを作ってお客様が喜ぶのを見るたびに、そう感じているんだろう。

私はお百姓さんにはなれない。
ただ、厳しい条件の中で働く人々に対して申し訳なく思う。
だからこそ、それに感謝して、今日も美味しくいただき、パワーをもらう。
そのパワーで書き続ける。

もうすぐ、うちの若者(笑)が帰ってくる。
お腹を減らして。
ああ、また日付が変わってしまった。

貧しいけれど、楽しい我が家。
二人で一生懸命働いて、美味しい料理とお酒で明日も頑張るぞ。

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2 コメント

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ヨダレがァ (シュー)
2008-01-17 23:38:45
最近、野菜不足のせいか、見てるだけでヨダレがァ(^^)
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目で (かおり)
2008-01-18 19:05:17
見て味わってください(笑)
野菜をたくさんとると、なぜか元気が出ます♪
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