明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

姫様、帰国。

2011-07-19 12:31:50 | 生活
姉ファミリーがシンガポールに行って早1年半。
この夏、初めての一時帰国で、土曜日は我が家に招待した。
新築したのも見ることなく旅立ってしまったので、家を見るのも初めて。
姉から「豪勢にやってください」とメールが来ていたので、気合を入れて迎えた。

先に言っておくと、最近ブログが滞っていたのは、この日の疲労から立ち直るのにしばらくかかったからである

姉、お義兄さん、姪っ子のひなの、両親が午後3時頃にそろってやってきた。
ちなみにこの人たちは誰一人としてお酒を飲まない。
お義兄さんは少しなら飲めるが、この日は人と約束があるということで、1人だけお茶しただけで出かけてしまった。

酒飲みのアテなら作るのは得意だが、ただ食べるのが好きという人たちをもてなすのは本当に難しい。
ましてや、相手は手ごわいグルメ。
さらに、「豪勢にやってくれ」と言われていたので、いくつか料理を出した後、
卓上フライヤーで串カツパーティーをし、さらに寿司を握ることにしていた。

家に着くと、まずは家中を見てまわる。
シンガポールの大きな家に住んでいる人からすれば、随分こじんまりと感じただろうが、まずまずの反応。

まだ夕食には早かったので、「お茶でも・・・」というと、

「冷たい緑茶!」
「アイスティー!」
「アイスコーヒー!」

と、みんながバラバラに注文を・・・

麦茶でも出せばいいかと思ってたので、いきなりの攻撃に焦ったが、夫と二人でキッチンへ立ち、7人分のいろんな飲み物を作った。
ふぅ・・・
これだけでも重労働である。

とりあえず座って、シンガポールの写真上映会。
パソコンをテレビにつないで、みんなでワイワイ楽しんで見た。

ひなのは1年半経って、ちょっとお姉ちゃんになったかな、と思う。
おしゃべりは相変わらずだが、少し大人になったようだ。
しかし、日本語があやしい・・・
難しい言葉は忘れているし、たどたどしい部分もある。
1年半後に完全に帰国した後、大丈夫かなぁと不安になる。

シンガポールのスクールでは、この夏休みが終わった後から、ようやく全教科を英語で受けるクラスに上がったという。
最初は英語での授業など全く無理だったのに、よく成長したもんだ。
それは感心

上映会も終わり、お義兄さんも出て行き、しばらく話した後、そろそろゴハンにしようか、ということになった。
用意していたのは、
大きな賀茂茄子があったので、それを半分に切ってくりぬき、中にひき肉を詰めてトマトソースで煮込んだもの。
たっぷりの大根おろしとネギ、調味料に鶏肉を一晩漬けて、それを焼いて煮込んだもの。
豆腐と海藻のサラダ。
アサリのチャウダー。
カボチャとジャガイモのキッシュ。
スナック春巻き。

それと、串カツ、寿司。

結果的に言えば、チャウダーとキッシュは出すことができなかった。
お腹がいっぱいになったからではない。
「出す時間」がなかったのだ。

ある程度料理を食べてから串カツをやればよかったのだが、同時にフライヤーを出したのがまずかった。
みんなで好きなものを揚げて楽しめればいいと思っていたのだが、
「注文したらいいんやんね?お店みたい!」と姉がひなのと手を打って喜んでいる
そこからは注文の嵐である。

「エビとイカちょうだい!」
「ピーマンはカリカリにして!」
「ちくわまだ?」
「ウインナー!」

注文が飛び交うたびに、「はい、少々お待ちを!」と私がひたすら衣をつけ、揚げまくる。
夫が自分の注文ができないのがかわいそうで、時々夫にも串カツをまわすのだが、そうしているとまた
「さっき注文したやつ、まだ?」
「私のチキンは?」
と、追い込まれるのだ

さらに、姉は1つずつ注文するのが面倒になり、「とりあえず、全種類!」と言い出す始末・・・
彼女は子供の頃から何でも「全種類」がすきなのだ。
とにかく全種類食べて、美味しかったものを追加するというパターンだ。

姉が言う。
「言っとくけど、家族やからこんな注文するんやで~」

すぐに私も切り替えした。
「家族じゃなかったら、とっくに出て行ってもらってます!

結局、私は1本も食べることができず、怒涛の串カツパーティーは終わった・・・

そして、ゆっくり休む間もなく、「そろそろお寿司お願い!」と注文が入る。
「はい、ただいま用意しますので・・・」と寿司飯を作り、ネタを用意する。

キッチンカウンターに寿司桶とネタを準備し、私がそこで注文を聞きながら握ることになった。
姉とひなのの攻撃はやまない。

「とりあえず、中トロとタイ!」
「私はマグロとイクラ!」

はい、ただいま・・・
しかし、いつも夫のために寿司を握るのだが、軍艦巻きはやったことがない。
どうやるんだ?
焦っていると、夫が横で海苔を切って、フォローしてくれた

「もう1つイクラ!」
「マグロ!」
「ホタテ!」
「イカ!」

次々に来る注文をこなし、夫も座ることなくせっせと働き続けた。

「よく動くねー」と姉が夫を感心して見ている。
「お父さんも、鍛え直さないとね」とひなの。

ああ、ごめん、お義兄さん・・・変なとばっちりが・・・

しかし、お義兄さんに気を使っている場合でもない。
なぜ握り寿司をやろうと思ったのか、そんなサービス精神旺盛な自分を悔やみながら、ただひたすら寿司職人のように握り続けた。
それなのに、鰻と大きな生海老は姉の舌には合わなかったようで、少し不機嫌になったし

とりあえず、皆がお腹いっぱいになり、ようやく私も寿司職人から解放された。
「美味しかった!ごちそうさまー」とみんな満足の様子。

ああ、ようやく座れる・・・解放された・・・と、ヘトヘトになっている私。
母が「ご苦労様ー」とねぎらってくれ、まあ、みんな喜んでくれてよかったなと思った瞬間、姉が言った。

「かおり、紅茶お願い!」

えっ

吉本新喜劇だったら、全員がイスから転げ落ちているところだ。

「はいはい、ただいま・・・」
またもや座ることを許されず、紅茶を入れにキッチンへと立ったのであった・・・

結局、9時過ぎるまで話し込んだ後、みんながタクシーで帰ると、夫と二人顔を見合わせ、
「ゴハン、食べよう!」と叫んだ。

夫もほとんど食べていないのだ。
私はほんの一口、二口。

2品も出すのを忘れるほど、忙しい時間だった。

静かになった家の中で、二人で改めてビールをあけ、残り物をがっついた。
「疲れたな・・・」
「もうぐったりや・・・」
と、本当に疲れ切ってヨロヨロしていた

「かおりの家族すごいなー・・・お姉さん、よく食べるなー・・・」と夫。
夫は控えめで物静かな家族の中で育っているので、私の家族にいつも衝撃を受けているのだ。
誰一人として、夫を気遣って食べ物をまわしてくれる人がいないなんて・・・
結婚して最初の焼肉パーティーのときに夫はそのことを学び、遠慮せずに肉に手を出すようになったが・・・
それでもまだ遠慮があるようで、
「あー、エビ食べられへんかった。最後の1コ、お母さんに食べられた」と嘆いていた。

申し訳なかったが、私自身がもうぐったりなので、声もかけてあげられない。
しかし、疲労はものすごかったけど、美味しく食べてくれたことはよかった。
姉の言葉を借りれば、「もてなしがいがある」人だと思う。
これまで多くの客人をもてなしてきたつもりだったが、初めて「人をもてなした!!」という実感があった。
そういう、「やりきった」感。

後日、母が電話で、「お姉ちゃんは、かおりには甘えるわねぇ」と言っていたが、まあそうなんだろうな。
一応、家族と姉の名誉のために言っておくが、皆、世間では常識人である。
こんなにあつかましくはない。
姉は子供の頃から私に対して「姫」だったし、それに慣れている私にしたら、むしろこの横暴ぶりに懐かしさすら覚えた。
たまにのことだしね

「姫と家来ですから」と母に言ったら、
「まあ!」と苦笑する母。

そういえば、帰りにひなのが「かおりちゃんのブログ教えてなー」と言ってきて、「う、うん」と返事したけど、
ごまかし続けないとダメだなー。
このブログは見せられない・・・

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2 コメント

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Unknown (あんこ)
2011-07-20 12:37:44
笑ったらあかんけど、おもしろすぎ。
このブログ、たしかにひなのちゃんには見せられへんな(笑)
姫と家来かあ。
うちも王様と家来やから一緒か!?
それにしてもご苦労様。
かおりんとさとしくんが二人で、
せっせと働いてる姿、おなか空いた~とりあえずごはんたべよ~と顔を見合わせた瞬間、想像しただけでクスッと笑える。でもほのぼのしていて、いい夫婦像が浮かんでくるよ。
あたしも、今年中にまたもてなされに行きたいです~!
なんて、おきらく(反省)
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Unknown (かおり)
2011-07-21 11:07:03
>あんこちゃん

笑いがとれたならよかったです(笑)
でも、ほんまに疲れたよー・・・

そやね、今年中にぜひまた来てくださいな。
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