おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第2章 漢方はどう診断するか
肝臓の解毒作用と利尿作用
p155釈迦像から出た内臓で日本でも千年前に人間の五臓六腑がわかった!
京都の嵯峨野(さがの)・清涼寺(せいりょうじ)にあるお釈迦(しゃか)さまの立像は、約千年前にインドから中国を経て日本に渡ってきた三国伝来のお釈迦さまとして有名ですが、いまから三十余年前のこと、釈迦の像の背中がぽっかり開いて、中からぞろぞろと経文(きょうもん)や布袋のようなものが出てきたのです。
千年も眠っていた像の胎内(たいない)から物が出てきたというので、住職の塚本善隆博士は、当時、京都大学の人文科学研究所の所長ということでもあり、その科学的調査を開始されました。
釈迦の胎内には、経文などのほかに、五臓六腑の心臓、胃、肝臓など現代医学でわかっている内臓がすべて布でつくられ、納められていたのです。
もともと、このお釈迦さまの立像は、然(ちょうねん)というお坊さんが宋(そう)に赴き、仏像と経典を持って帰ったことにはじまります。
この仏像は釈迦の像で、伝説によると、お釈迦様が「インドは仏教がだんだん衰えてきたから、私はもっと仏教をだいじにするところに行きたい」というので、像を担(かつ)いで天山山脈を越えて中国に渡りましたが、偉いお坊さんが来たというので途中、中央アジアで足どめされて、唐に行き着けませんでした。
しかしその後、その息子の代に、唐の遠征軍によって、やっと唐の都にたどり着いたといういわれのある像です。
これを、入宋した然が南シナの彫師に模写させてつくり、はるばる日本に持ち帰ったというものです。
清涼寺は浄土宗のお寺で、「あの像はにせものだ」「いや、インド伝来の本物だ」と長い間いわれてきましたが、千年目に背中が開いたら内臓が出てきて、やっと北宋の彫師が模写したものであるということがはっきりわかりました。
問題なのは、その内臓物です。
宋時代というと日本では平安朝の初め、その時代に宋では人間の内臓の五臓六腑のことがはっきりわかっていたのです。
心臓は赤い袋で心臓の形がつくられ、腎臓は紫の布、胃は黄色、というように、酸・苦・甘・辛・鹹(かん)の色づけによって分類されて入っていました。
おもしろいことに、この釈迦像には、〝仏牙(ぶつげ)〟といって象牙の歯が入れてあります。仏さまはたいてい口を結んでいるのですが、歯ができたら、目から鼻から口から内臓から全部ができた。
そこで「わしが日本に行きたいのだから、おまえは残っとれ」ということで、宋で模写した釈迦と入れかわって、日本に来たのだと伝説でいわれています。
だから、インドから三国伝来した釈迦像が来ているのだと、まことしやかに伝えられたものです。
じつは宋の模写が日本に持ってこられたのですが・・・・・。
一説では、この内臓は、千年前に日本で信者たちが作って入れたといわれています。
すると、日本でも千年前に人間の五臓六腑がわかっていたことになります。
漢方の本場、中国では、胃はどこにある、腸はどこにあるということは、漢時代からわかっていましたが、はっきりしたかたちでわかっているのは、宋時代に中国から日本に伝来したこの模写のお釈迦さまの像で明らかになったのです。
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