名古屋の「ノリタケの森」とノリタケの歴史について

2010-03-14 21:18:39 | 歴史と散策

 前項の徳川美術館とセットで訪問した。顔料に関係のある会社に勤務したので、陶磁器関係の会社の動向については若干の知識を持っていたが、洋式陶磁器製品の製造に関する工場を見学したことはなく、オールドノリタケの知名度が高いので、今回の訪問を楽しみにしていた。
 訪問したのは、明治37年(1904)に建設された日本陶器合名会社の最初の工場で、近代陶業発祥の地であり、当時の赤煉瓦の建物と6本の巨大煙突が我々を迎えてくれた。
       
    煙突の下部が残された(10-03-09-705) 最初の赤煉瓦工場(10-03-09-707)

 世界に知られるノリタケの名は、創業地である愛知県名古屋市西区則武(ノリタケ)から取られたもので、その敷地内にあるクラフトセンターで生地の製造から画付けまでの概要を見学し、ノリタケミュージアムでオールドノリタケと呼ばれる作品の鑑賞をするコースが用意されていた。
 ここでは、森村・大倉記念館(CANVAS)見学時にいただいた資料「森村グループの歴史」について紹介する。森村の歴史の始まりは安政5年(1858)ペリー来日による日米修交通商条約批准に向う幕府使節団の準備に関係したことが契機になった。そして、明治9年(1876)に森村組を設立して弟を渡米させて貿易活動を開始しているから、日米貿易の草分けといわれている。商売を陶磁器に絞って名古屋に洋食器製造工場を建設したのが明治40年(1907)であり、戦後に停滞時期を迎えたが、日本の経済発展に伴って電子部品やフアインセラミックスの分野にも進出し、現在では食器類の売上げ比率が15%程度になり、工業機材、セラミックマテリアル、環境エンジニアリングの3事業が全体の75%以上を占めるグループに変身している。今回の見学を機会に、セラミックス業界の概略動向を調べてみた。(浅い考察で間違いも多いと思うが、明治維新前後に生まれた会社の略歴メモとしてまとめた)