早朝の山科疏水の散歩

2008-08-01 18:55:27 | 琵琶湖疏水

 私はこの10年間に四季の山科疏水をたびたび散策してきたが、5時過ぎという早朝に散策したのは初めてである。今回は藤尾から諸羽までの短い距離であったが、猛暑の日中を避けて早朝に散策する中老年男女の姿が多いのに驚いた。さらに9割以上の皆さんが“おはようございます”と挨拶し合うことにも驚いた。日中では挨拶しても常連さん以外には無視されることが多い。日本人は新幹線で隣り合わせになっても3時間会話なしで普通という国民性である。やはり、早朝からご苦労さんのいう気分になるのであろう。
 この時間帯は、やや明るくなったが陽射しがないので風景も少し変わった感じに見えた。
                 
                    四ノ宮一燈園前の山科疏水の流れ

 8月初めというと山科疏水の散歩道はセミの鳴き声で一杯になる。とくに、雨上がりの翌朝で陽射しが強くなり始めるとクマゼミの合唱となり、午後にはアブラゼミの合唱が始まる。今回は日差しのない時間帯で静寂な散歩道であった。
 日本ではクマゼミが一番大きく60~70mmあるが、世界のセミの種類は3000種あまりあり、一番大きいのはテイオウゼミの130mmで、一番小さいのがイワサキクサゼミの20mmである。地球温暖化の影響で九州など日本南部中心に生育したクマゼミがアブラゼミの勢力と逆転し、生育域も北上し始めたといわれるが、京都新聞の「環境異変・虫達の警告」(08-06-11)のよると、大型のクマゼミの幼虫はヒートアイランド現象で固くなった地面でも潜れるのに対し、アブラゼミの幼虫は潜れなくなった可能性がある……と解説警告している。私の子供時代はアブラゼミ中心で、クマゼミは希少価値があったが、最近ではクマゼミ中心になってきた。地球温暖化による人類への長期的影響を考えると、心配になるこの頃である。