ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝ビックリポン!〟のランキング!

2020年09月26日 | 俳句

 また、また〝ビックリポン!〟です。一体何事?それは私の方が聞きたいですよ。

 実は昨日の「日別ランキング」で、前代未聞のことが…なんとランキングが272位、閲覧数1284PV 訪問数1080UU (2951008ブログ中)ですって!最近のランキングでは、いいときは1000台、普通2000台から悪くて3000台なんですよ。それが突然100台になんて…とても考えられません。一体何が起ったんでしょうか?

 見てみると、「俳句の〝句またがり〟とは?」のアクセス数が確か500PV以上出ていたような気がします。最近は俳句のことより他の話題の方が多くなっていますのに、それなのに俳句で…???

 先ほど出た25日のランキングをみてみますと、1106位、閲覧数611PV 、訪問数469UU(2951175ブログ中)で、普通に戻っていました。なんだか気になって、考えてみました。すると…昨日は木曜日、ウウ~ン、もしかしたら〝プレバト〟のある日だし、それに関係があるのかしら…。早速YouTubeで昨夜のテレビを見てみました。ちなみに、私は殆どこのプレバトを見ることがありませんので…。 ああ、やっぱりそうでした。

〝9月24日放送の「プレバト!! 秋の3時間SP」で、俳人・夏井いつき先生から出された3つのお題を一発でクリアすれば俳句名人になれる番組初の企画「俳句最強の挑戦者! 名人認定査定!」 が開催され、最強の挑戦者として日曜よる10時から放送中「林先生の初耳学」でおなじみの林修先生が参戦する。〟と。

 その林先生に出されたお題は3つ。「黒板」「白米」「鎌倉と月」でした。その句は次に…
 「黒板」…望月や無駄一つなき我が板書
 「白米」…おつかいの坂や新米二十キロ
 「鎌倉と月」…月煌々実朝のやぐらをぐらし
 ここで、2番目の白米の句が〝句またがり〟の句で、プレバトの人たちはこの句またがりが分らなかったじゃないのと、いつき先生が仰っていましたね。ああ、これでなんだ…と納得。 
 「句またがり」または「句割れ」というのは、短歌や俳句の表現技法の一つです。そもそも短詩型文学というのは、その1首、1句で独立した詩空間を創り出すもの。その短さ故の制約の中で大きな力を発揮するのが「切れ」ということなんです。
 俳句の場合は、主な切字として「や」「かな」「けり」がありますが、これが全てではありません。芭蕉は、「切字に用ふるときは四十八字皆切字なり」といい、石田波郷は、「霜柱俳句は切字響きけり」と詠んだように、この切字または切れというのは非常に難しい俳句の作句ポイントです。
 これをあれこれ解説しているといくら時間があっても足りませんので、今回は止めます、が、少しだけ…。
 まず句またがりで最も代表的な句は、中村草田男の〈万緑の中や吾子の歯生え初むる〉です。
 この句は〈万緑の中や/吾子の歯生え初むる〉というように、中七が3音と4音に分かれていますね。これがもし〈万緑や中の吾子の歯生え初むる〉と詠んだとしたら、上五で切れる初句切れの句になります。草田男はなぜそうしなかったのでしょうか?それは〈中の吾子の歯〉では何の中なのかが曖昧で分らなくなるでしょう。ここは大きな大自然に包まれた中…その緑一色の木々の中で見つけた我が子の生えたばかりの小さな白い歯…きっとまだ2本でしょうか。その喜びがこの切字「や」に詰まっているんですからね。
 だから課題2句目の「おつかい」の句も同じなんですよ。これを〈おつかいや坂を新米二十キロ〉と詠もうと思えば詠めるのですが、そこは林修氏の勉強の成果でしょうか。「おつかい」に感動しているのではなく、二十キロの米をフウフウいって運んだ坂のきつかった想い出が忘れられずに詠みたかったんでしょうから。だから坂を強調しなくては…また、上五で切ってしまうと、他の誰かのおつかいでも構わなくなって、他人のおつかいを見ていて気の毒がっているとも取られかねませんものね。まあ、ちょっと難しかったかしら。アハッ…
 それから考えれば、3句目もですよ。これは〈月煌々/実朝のやぐらをぐらし〉と初句切れなんですが、中七下五が8音と4音で句割れになっています。私は〝やぐら〟というのが鎌倉では〝墓所〟のことをいうのだと知りませんでしたので、〈実朝のやぐ/らをぐらし〉?〈実朝のやぐらを/ぐらし〉?かと思って迷いました。こういう初句の字余りは気になりませんが、中七下五での乱れは、初心者には混乱を起こします。だからもしここを〈小暗し〉という古語の漢字で書いてあれば少しは分りやすかったのでしょうが、〈をぐらし〉と歴史的仮名遣いで書いたばっかりに余計分りにくくなったのです。これも林氏の知識が上回ったからでしょうが、ちょっとやりすぎでしたね。だから、最後に、いつき先生が〈実朝のやぐらをぐらし月煌々〉と添削されたので、ホッとしました。あのままで〝才能あり〟更には〝名人〟昇格では、一生懸命頑張っている人に申し訳ないのではと思いましたもの。
 まあ、そういうわけで、私のランキングも一件落着!本当にテレビの力はオソロシイものですね。皆さん、洗脳されないように気をつけましょう!
 写真は我が家の曼珠沙華、やっと赤が咲きました。最初は20日、次が21日というように開いていって、もう最後に近いです。〝花の命は短くて…〟ですね。
 
 
 
コメント (8)
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