ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝踏みつぶしたり厄年の鬼の豆〟

2020年02月03日 | 俳句

 今日は〝節分〟。四季それぞれの季節の変わり目のことで、年に4度あるのですが、現在では立春の前日のみが重要視されて「節分」といえばこの日をさすようになったものです。

 この〝節分〟は時候の季語なのですが、他にもかかわった季語がたくさんあって、行事では〝節分詣〟、生活になると〝追儺(ついな)〟とか〝鬼やらい〟といったりしますが、一般的に通じるのは〝豆撒(まめまき)〟でしょう。それに付随して〝鬼は外〟や〝福は内〟なども季語になります。また、変わったところでは〝厄払(やくばらい)〟とか〝厄落し〟なども、この節分の夜に厄を逃れるまじないなどを行ったことから季語になっています。

  踏みつぶしたり厄年の鬼の豆

 私の第2句集『甘雨』に所収の、平成29年の作です。この前の年には、前馬醉木主宰・水原春郎先生が9月、11月には実母を見送った時期に詠んだものです。季語は「鬼の豆」で、冬。節分の夜に撒く豆のことで、〝鬼打豆〟とか〝福の豆〟〝年の豆〟ともいう。

 私の敬愛する大先輩、N先生の妹さんで占いがよく当たるという方がおられて、〝この年は大きな厄のある年だから気を付けなさい〟と、言われていました。この占いは旧暦でしますので、この年とは、平成28年の立春から平成29年の節分までのこと。だから新年会でお会いしたとき、〝やっぱり良くない年だったわね。立春を過ぎたらどんどん良くなるから…〟と、励まされ納得しました。本当によく当たるんですよ。

 考えてみれば、確かに私の体調も悪くて病院通いばかりしていましたし、今までにない症状が出たり、挙げ句の果てには、「馬醉木」の若手コーナーの選者であったIさんが、突然強盗に襲われて瀕死の重傷を負われ、急遽その選が私に廻ってきたのもこの年の秋でしたもの。とにかくその頃の私は、その日その日を必死にこなしていくのが精一杯という状況でしたから…。

 毎年、この節分の日には、神社にお参りに行き、豆を拾ったり食べたりして、どんな時でも厄払いをします。もちろん商戦に踊らされて、〝恵方巻〟なるものも食べますが…。でも、気を付けて下さいよ。これは昔はなかったものですので、季語ではありませんから。ちなみに、〝恵方〟は新年の季語なんです。また、〝鰯(いわし)〟は秋の季語なんですが、この節分の夜には魔除けとして焼いた鰯の頭を柊(ひいらぎ)の小枝に刺し、悪鬼を追い払うというまじないが風習としてありましたので、〝柊挿す〟や〝鰯の頭挿す〟という季語も残っています。だから、神社の境内ではこの日に限り焼いた鰯も売っていますから、我が家では買って帰り、頭を刺したりはしませんが、しっかり食べます。アハッ、いわれよりも食い意地です…(笑)

 これらのことも父母からおそわったものなんですよ。今では主人や子供たちもそれに慣らされて…意味も分らずに食べているのかも。それでもいいです。私がいなくなってもどこかで覚えていて、きっと〝あんなことしてたよね~〟と懐かしく思い出してくれるかもしれませんので。

 話が飛んでしまいましたが、前掲の私の句、〈踏みつぶしたり〉に思いが詰っているということはもう分かっていただけたでしょうか。神社の境内や通りすがりの道でも、我が家の玄関先の豆でも、どこでも構いません。見つけ次第全部踏んで厄を払い…新しい一年の出発へ向っていきたい! 節分の日は毎年そんな気持ちでお参りします。

 さあ、今日もこれから、主人と義母たちと一緒にお参りへ行きましょう。では、行って来ま~す。

 写真は、今日はありません。この節分の日の写真は帰ってからに…

 

コメント (5)
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