ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

俳画と賛の俳句との関係は?

2020年02月14日 | 俳句

 天気予報によると、昨日は全国的に春本番の気温だったそうで、宇部も16度と…珍しく暖かでした。だから朝のラジオ体操も一枚減らして行ってもよかったくらい。ところが、今日はまた雨、まるで1日おきの晴と雨です。確かこのような天気を繰り返して春になっていくのだということを去年も書いたような…。でも、見てみると二三日おきのことで、今年のように日替わりではなかったですね。やっぱり異常気象のせい?

 昨日は午後から俳画教室。今年度はあと一回を残すのみとなり、3月始めの学習発表会にむけての最後の仕上げです。今回の画題は〝雛〟、こけしの立ち雛でした。こういう顔を描かないといけない絵は、目の描き方が一番難しいんですよ。細い1本の線だけですが、その引きようによっては顔の表情がみんな違ってきますから。花や草などだったら少しはごまかしがきくのですが、顔だけはダメですね。様々な表情のお雛様が次から次へと出てくるので、結構先生も楽しんで指導されているようでした。賛は〈ももは八重さくらハしだ連女の子   柳史〉(ももはやえさくらはしだれおんなのこ)でした。

 この賛の句の作者、柳史とは、本名を赤松正次(1901~1974)といいますが、むしろ赤松柳史の名の方で知られています。大正14年(1925)、中国遊学から帰国後、松瀬青々主宰誌「倦鳥」で俳句を学び、日本画を森二鳳に学びました。その後1948年に俳句俳画誌『砂丘』を創刊・主宰した人物で、戦後の俳画界を牽引してきたひとりです。いつもよく賛に書いているのは藪本積穂の句なんですが、その師匠に当たる人が柳史なんです。

 でもこの句の季語は???「もも」も「さくら」も春の季語ですから、要するに季重ねの句ということになります。この句がということではないのですが、いつも思うことがあります。この俳画の賛に書かれる句、俳句をしている者からするとどうにも気にいらないのが多いんですね。ヒドいのになると季語だらけのものがあったりして…。やっぱり二足のわらじを履くというのは難しいということなんでしょうか。でも、佳句とまではいかなくても、せめて基本的なことはクリアーされている句がいいと思うのですが…。いかがなもんでしょうか。そこでちょっと調べてみました。

 俳画は、俳句を賛した簡略な絵(草画)のこと。一般には俳諧師の手によるものであり、自分の句への賛としたり(自画賛)、他人の句への賛として描かれるが、先に絵がありこれを賛するために句がつけられる場合や、絵と句が同時に成るような場合もある。さらに敷衍して、句はなくとも俳趣を表した草画全般をも指す言葉としても用いられる。「俳画」という呼称は渡辺崋山の『全楽堂俳諧画譜』にはじまるとされており、それ以前の与謝蕪村などは「俳諧物の草画」と称していた。 

 これはWikipediaの解説ですが、これからすると俳画はそもそも俳句(俳諧)が先にあってのもののようです。だとすればやはり賛として書く以上、俳句を優先した俳画を描きたいものですね。しかし、次のようにも…

 近世後期には、文人画の大成者であり、写生的な句をものした与謝蕪村が『おくのほそ道図屏風』や『若竹図』などを描き、俳画を芸術の様式として完成させた 。文化文政期には、渡辺崋山のように画家としての経歴をもつものが俳画を描く一方、小林一茶らは素人らしい素朴な俳画を残している

 近代には正岡子規が、素朴な草花の水彩画を句に配し、その門人も俳画をよくしたが、以後俳画を手がける俳人は減少していった

 と、あるように時代とともに変わっていって、今日では趣味的な即興画として世に広まり、俳句は二の次になってしまったのかもしれません。だから各地域の文化講座でも絵画の一分野として人気があるようです。でも、最近すこし下火になったのかしら?私が始めた頃は希望者が多くてなかなか入れませんでしたもの。今はプレバトのお陰か、俳句の希望者の方が多くなったような気がします。

 要するに、ここの俳画教室では絵の描き方の指導はしますが、そこに書かれている俳句のことには全く触れられません。なぜこの句がこの絵の賛になるのかとか…疑問に思うことが屡々。もし俳句も極めた人が俳画の指導をすればきっと違うと思うのですがね~。現在の講師は、私のところで俳句を学んでいますし、若いので将来はきっといい俳画の指導者になれるのではと大いに期待しています。ガンバレ、T子さん!

 写真は、先日の〝ひなもんまつり〟のいぐらの館・中川家の庭に咲いていた〝侘助〟(わびすけ)です。椿の一品種で冬の季語なんですが…。結構早くから咲いて長くありますし、茶人に好まれる花です。色は白・紅・絞りなど、一重の花。

 

 

コメント (2)
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