ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝立夏〟

2019年05月07日 | 俳句

 連休明けの今日は俳句教室でした。何だかポカンとした頭で、中身が何~にもない感じ、まるで気の抜けた風船みたい!やっぱり連休ボケなんでしょうか。また元のリズムへ戻していくにはしばらくかかりそう。

 今日の兼題は〝立夏〟でした。そう、昨日が立夏でしたから、それで決めた題なんです。この季語を使うときはすぐに思い浮かぶのがこの句。

  プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ

 石田波郷の句集『鶴の眼』に所収。私はこの句で初めて鈴懸の木がプラタナスだということを知りました。このプラタナスは、宇部市役所前の大通りの並木になっています。落葉高木で葉も大きいから夏には歩道によい日陰を作ってくれますし、冬は落葉しますので、太陽をよく通して…でも木枯しが吹く頃はちょっと寒そうかな。しかし、あの鈴のような実がたくさんぶら下がって風に揺れているのもなかなか風情があっていい。だから季節を問わず私はよく句に詠んでいます。

 「みどり」や「みどりさす」という、「新緑」の傍題の季語もあります。だからこの句は、新緑の季節になって、昼間だけではなく夜も…と言ったところがミソでしょう。本当に初夏という季節感をうまく言い当てていますね。

 教室では〈半袖の目立つけふの日立夏かな〉という句がありましたが、〈けふの日〉と〈立夏〉とがダブりますので、ちょっとくどい感じがしますね。要するになくてもよい言葉だということなんです。そこで、〈半袖の急に目立ちて立夏かな〉と直したのですが、どうも下五の〈かな〉はここでは重すぎるような…ということで、最終的には〈半袖の急に目立ちてけふ立夏〉というふうにしたんですが…いかがでしょう? こうすると、今日は半袖が急に増えたような気がするけど、どうしたのかしら…ああ、そうか、もう夏になったんだ!というような軽い驚きが感じられませんか。

 今歳時記を見ると、〈路地に子がにはかに増えて夏は来ぬ〉という、菖蒲あやさんの句が出ていました。これ見るとやっぱし類想句になるんでしょうかね。

 ところで、〝三人を偲ぶ会〟ですが、翌日はやはり雲が多くて、どんよりとした感じでした。朝食後の予定は、恐羅漢に登る人と登らずにゆっくりして帰る人に分かれましたが、私たちはR子さんの墓参りをして、おばあちゃんたちと合流しないといけませんので、一足先に山小屋を出ました。彼女とご主人と私の主人は大学の同窓生なので、よく知った間柄。お墓は少し遠くて時間がありませんでしたので、仏壇にお参りさせて貰いました。

 彼女の遺影は、ちょっとビックリしたようないつもの目をして笑っているよう。三年前に家族で北海道旅行をした時の写真だとか…スリムでしたが、それはいつも通りでちっとも病的な様子はありませんでしたのに。いろいろな検査をしてもどこにも異状はみられなかったと。じゃなぜ死んだの?と言いたくなりますが…それも全て寿命なんでしょうね。合掌!

 昨日の午後からの天気は荒れ模様で、急に大雨が降ったかと思うと、今度はゴロゴロと雷が鳴って。だから宮島口に着くと、大変なことになっていました。宮島の弥山へ登った甥夫婦と子供たちが雷のためロープウエイが停ってしまって降りてこられないんだと。連休最後なので、明日は学校や会社へ行かないと。だから、何が何でも京都まで帰らないといけないんです。でも何も連絡がないということは、無事帰り着いたのでしょうね。ああ、ヨカッタ!ヨカッタ!

 写真は、山小屋の傍にあるスキー場のリフト下に咲いていた水仙、その中にあった〝薇(ぜんまい)〟です。

 〈ぜんまいののの字ばかりの寂光土〉という、川端茅舎の句がすぐに思われました。 

   

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