1つ、2つ、3つ…
何度数えても3枚ある。机に並べて、指さししながら数えてみても、やっぱり3枚。
一体何を目的としたカードとシールなのだろう。
もはやカガリ本人を対象としたことには間違いない。
自室の机に伏すようにしてカガリは突然訪れた難題に悩む。
自分が「何かする」と増えていっているのだと思うが、さっぱり思い浮かばない。
もはや「気味が悪い」と言っても過言ではないのだろうが、それなら捨ててしまう、もしくは誰か大人に相談すればいいのだろう。
だが…なんだかそういう気持ちになれないのだ。
(何か…引っかかるんだよな…)
思い立ってカガリは机の左わきに置いておいたスマートフォンを取って、ショートカットダイアルを押す。
暫くコールがあって、聞き馴染んだ声が聞こえてきた。
<あ、カガリ?どうしたの急に。突然電話かけてくるなんて珍しいね。>
「おー、キラ。あのな…ちょっと相談があるんだが…」
<何?すごい珍しいよね。カガリが僕に相談なんてさ。>
電話の相手は『キラ・ヤマト』。カガリの実の双子の兄妹。
二人の姓が違うのは、別の養父母にそれぞれ引き取られたから。
カガリとキラが誕生して間もなく、両親は事故で他界した。親しい親族もなかったため、二人は物心つかない時に養護施設に引き取られた。たまたま遺品の中に残されていた、母らしき女性に抱かれる双子の赤ちゃんの写真。そこに『キラとカガリ』と書かれていたことだけが、二人を実の兄妹と認める唯一の証拠だった。
幼い二人は常に一緒。唯一の血縁が傍にいる、ということだけが二人の慰めだった。
幼い頃からお転婆だったカガリ。そして兄なのにいつもその後を泣きながらくっついていったキラ。
暫くして、キラを気に入ったヤマトの養父母が彼を引き取った。だがカガリは残された。養父母も二人揃って引き取ることはできない状況があったのだろう。散々別れるのが嫌で泣いていたキラは、カガリにその背を押されて、ようやく養父母の元へ行った、という経緯がある。
ヤマト家の両親の計らいと、その後カガリを引き取ってくれたウズミの計らいで、二人は離れ離れになっても、所在がつかめるように、連絡先を交換していたため、今でもこうしてキラには遠慮なく声を聴くことができる。
<で、何があったの?>
「うん…実はさ…」
カガリは事の経緯を話した。謎のカードと『パンプキン』シールのことを。
<・・・続きを読む>
何度数えても3枚ある。机に並べて、指さししながら数えてみても、やっぱり3枚。
一体何を目的としたカードとシールなのだろう。
もはやカガリ本人を対象としたことには間違いない。
自室の机に伏すようにしてカガリは突然訪れた難題に悩む。
自分が「何かする」と増えていっているのだと思うが、さっぱり思い浮かばない。
もはや「気味が悪い」と言っても過言ではないのだろうが、それなら捨ててしまう、もしくは誰か大人に相談すればいいのだろう。
だが…なんだかそういう気持ちになれないのだ。
(何か…引っかかるんだよな…)
思い立ってカガリは机の左わきに置いておいたスマートフォンを取って、ショートカットダイアルを押す。
暫くコールがあって、聞き馴染んだ声が聞こえてきた。
<あ、カガリ?どうしたの急に。突然電話かけてくるなんて珍しいね。>
「おー、キラ。あのな…ちょっと相談があるんだが…」
<何?すごい珍しいよね。カガリが僕に相談なんてさ。>
電話の相手は『キラ・ヤマト』。カガリの実の双子の兄妹。
二人の姓が違うのは、別の養父母にそれぞれ引き取られたから。
カガリとキラが誕生して間もなく、両親は事故で他界した。親しい親族もなかったため、二人は物心つかない時に養護施設に引き取られた。たまたま遺品の中に残されていた、母らしき女性に抱かれる双子の赤ちゃんの写真。そこに『キラとカガリ』と書かれていたことだけが、二人を実の兄妹と認める唯一の証拠だった。
幼い二人は常に一緒。唯一の血縁が傍にいる、ということだけが二人の慰めだった。
幼い頃からお転婆だったカガリ。そして兄なのにいつもその後を泣きながらくっついていったキラ。
暫くして、キラを気に入ったヤマトの養父母が彼を引き取った。だがカガリは残された。養父母も二人揃って引き取ることはできない状況があったのだろう。散々別れるのが嫌で泣いていたキラは、カガリにその背を押されて、ようやく養父母の元へ行った、という経緯がある。
ヤマト家の両親の計らいと、その後カガリを引き取ってくれたウズミの計らいで、二人は離れ離れになっても、所在がつかめるように、連絡先を交換していたため、今でもこうしてキラには遠慮なく声を聴くことができる。
<で、何があったの?>
「うん…実はさ…」
カガリは事の経緯を話した。謎のカードと『パンプキン』シールのことを。
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