亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

国栖

2021-07-28 | 写謡
大友皇子に追われた(後の天武天皇)一行が吉野の山中にたどり着き、国栖魚や根芹を 採る老夫婦に助けられる話です。
あくまで物語なので綺麗に描かれているが実際は兄の大友の皇子を倒して政権の座についという。実際は天皇の座にあった兄を引きずり下ろすというあまりいいイメージのある天皇ではなかったように思う。
国栖とは魚のことではなくその土地の地名だったようだ。
吉野に逃れた大海人皇子は土地の人を味方にして都に攻め上り大友の皇子を天皇の座から引きずり下ろした。
謡本の巻頭に間狂言というのが載っている。
間狂言とは狂言方が能の途中で出て来て物語の説明をするところだが、
ここでは能の登場人物のようになって一つの役割をしている。どうやら追い手の役をしているようだ
左のページには出演者の名前が載っているが、舞台は大勢で相当賑やかになっているようだ。
謡本の中に長い棒線を引いてあるところがある。ここは、謡ではうたわない部分だが、この本はバカに長い。ここではシテ、翁は都からの追っ手を上手くごまかして追い払う場面。

能には子方という役と翁という役がある。
子方というのは文字通り子供の役だが、中には大人の役を演ずることもある。
子方とは今は未熟な身だが将来大物になる何か秘められたものを持っている人物を描いているようだ。それに対して翁とは年老いて人生のすべてを知り尽くして、神様のような存在を指しているようだ。ここでも神様が里人に扮して出てきている。神様だからしくじるわけがない。うまいこと追い手を追い払いました。
都は奈良、京都と決まっていたわけではない。この時の都は近江(滋賀県)にあったらしい。近江は日本の中心で統治するには都合がいい。だけど海が遠いので大量の荷物を運ぶのには向いていない。大阪に都をおけば貿易には便利だが異国に攻められやすい。そこで考えられたのは海から少し離れた奈良だった。
女性天皇で名高い持統天皇は大海人皇子こと天武天皇の奥さん。日本の神話を作ったのもこの人、天照大神のモデルは持統天皇だという話もある。
またまた感染者が増えて来て菅さんは頭が痛い。オリンピックは続けられるのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする