昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

昭和少年漂流記:第五章“パワーストーン” ……24

2014年04月09日 | 日記
第24回 心ここに在らずに見える高山の表情に、めぐみはその視線の先を追う。高山の目は、めぐみの隣席のハンバーグに注がれているようだ。ナイフの先がハンバーグの上の半熟卵に入り、ゆっくりと黄身が流れ出ている。 「お腹空いてるの?何か食べる?」 高山の視線を遮るように顔を覗き込む。 「ううん。大丈夫」 高山は笑顔を返してくるが、目は笑っていない。 「さて、そろそろ行こうか?」と、つと立ち上が . . . 本文を読む