とっちゃんの宵山 ④ 2016年07月27日 | 日記 京都駅山陰線ホーム。春の光を背に現れた啓子は、最後に会った夏の終わりよりもスマートに見えた。日差しに黄色く染まったピンクのジャケットと白のスカートが目に鮮やかだった。左手に下げたすみれ色のハンドバッグのように、啓子は大人へと花開いていた。 ぎごちなく言葉を交わし、僕たちはともかく北へと歩いた。まだ春浅いというのに暖かく、僕の下着はたちまち汗に濡れた。 目標にしていた四条河原町南の喫茶店に、想定 . . . 本文を読む