昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

とっちゃんの宵山 ③

2016年07月20日 | 日記
1969年4月下旬。かくして僕は、19歳の新聞配達少年になった。給料は、23,000円。生活費は、下宿代5,000円を含め17,000~20,000円なので、十分な額だった。 その夜、いつもの定食屋の100円定食に生卵1個を追加した。早く寝なくてはと思ったが寝つけなかった。枕元にラジオと日記帳を置いてうつ伏せになった。 “いよいよ自立への第一歩だ。足は軽やかだ。澱が落ちたような気分 . . . 本文を読む