昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章“石ころと流れ星”(短期集中再掲載)   29.変化の予感

2013年01月29日 | 日記
変化の予感 「びっくりしたやろう」 にんまりしながら上村は、僕と山下君の間に割り込んでくる。やむなく席を譲り、左の席へ移動した。 席に落ち着きバーボンをオーダーすると、「これがほんまの俺やねんで」と顔を向けてくる。「俺、黒ヘルに入ってたけど、学生違うんや。学生いうことにしてたけどな」 なぜか自慢そうに、鼻の穴を膨らませる。驚きはない。 「ま、偽学生やったんやけどな。ほれ、今回のことがあっ . . . 本文を読む