昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星  88

2012年08月25日 | 日記
「ところで、君たち追われてんの?隠れてんとあかん理由、あんの?」 率直に訊いてみた。すると、 「そう言われてんねん。折角仲良う暮らし始めたんやから、つかまったらつまらんやろ?て、言われたんやけどな」と、桑原君は首を傾げて俯いた。 「誰に言われたんや。追われる理由は、なんやの?追ってるんは、警察?それとも…」 僕は少し、怒っていた。ただ、その怒りが桑原君と京子に向いているものな . . . 本文を読む