昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星  87

2012年08月21日 | 日記
「半分は本当で半分は嘘なんやなあ、噂って」 そう呟いて、僕は大きく溜め息を漏らした。桑原君を探して僕の部屋にやってきた京子の、妖しげな脆さも理解できたような気がした。“女のリクルーター”の噂があながちデマではなかったこともわかった。 そして何よりも、男子学生たちが口角泡を飛ばして論じる革命論や運動論に、彼ら一人ひとりの恋愛事情が関わっていることもよくわかったような気がし . . . 本文を読む