昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   40

2011年09月09日 | 日記
「あ!柿本君、何かひっかかてるん違う?」 和恵がぽんと肩を叩く。「うん」と頷くと、和恵は“わが意を得たり”の顔になった。 「夏美さん、炭鉱町の出身やろ?“新しい”とか“もう古い”とかに、小さい頃から振り回されてきはったんよ。それで、次の“新しい”に出会うこともなしに集団就職で出てきはったやろ。家族の . . . 本文を読む