ウォークマンで、CDラジカセで、DENONの140Wでも、こればかりを聞いている。
もうここ一か月は、他の音楽は全く聞いていない。
いままでの、上原ひろみの全キャリアの中で、最も濃い内容である。
聞いても聞いても飽きるどころか、聞き足りないのである。
こんな音源に出会ったことがない。
たとえば、250度の芋焼酎。
薄めても薄めても薄まらない。強烈な芳香と圧倒的な存在感の味わい、
そして、いつまでも消えない余韻。
3人とも、演奏レベルが高すぎて、聞き流すと、まるで、フツーのことをやっているように
聞こえてしまう。
そして、あまりに一体化した演奏は、ひとりの人間が演奏しているように聞こえる。
ひとつの意思でひとつのカラダで演奏しているように聞こえる。
ひろみの音、アンソニーの音、サイモンの音、それが存在しない。
あるのは、トリオの音なのだ。
なんとも表現しがたいのだが、この世の中に、今まで存在しなかったものが創作された、
そんなアルバムです。