今回のラック棚の改良の発想は、以前に、偶然、ミニコンポの置き場所を替えて音が変わったこと。
100均のワイヤーラックから降ろして、ウッドブロックの上に乗せることにより、音の輪郭がはっきりした、
引き締まった音になったと気付いたことです。
こういう、置台による変化は、スピーカーでしか実感できないだろうと思っていたが、たまたま模様替えの一環で、
配置上の問題からそういう置き方を選んだのであり、音色変化という狙いは全くなかった。
しかし、CDアンプ一体型レシーバー、しかも質量もグッと小さいコレで変わるのなら、もっと大きいサイズの機器
ならもっと大きな変化が期待できるのではと思ったのです。
変わりました。
いつものリファレンス、アナログLPレコード。
まず、高域が良く出ている。
これにより、さらに定位がはっきりとした。
今までは、各楽器の左右位置は良くわかった。
今回の変更で、前後位置もわかるようになった。
今までは、ドラムの音が最前列に聞こえていたが、ギターの音が前に出てきた。
立体的な音場が眼前に現れたことに正直驚いた。
おそらく、これで、録音時点で設計された音場の再現が進んだと言えると思います。
あくまでも変化した、ということで、すなわち良くなったとは言い捨てならないとも思うのです。
スピーカーを更新する一年前、レコードプレーヤーを買い替えて初めて鳴らした時の
サウンドの衝撃、CDにはないリアルなシンバル、バスドラ、低く太いベースの音。
今回の変更により、音の輪郭がはっきりして、サウンドが明瞭になった。
しかし、これをネガティブに言えば、「うるさく」なったともいえる。
レコードプレーヤーを買い替えたころの音は、それを引き算して、ストイックなサウンドであった
とも言える。
その時、心に響いたのは「オーディオ的正しい音」ではなかったのかもしれないが、「よい音」
だったのだろう。
とりとめもない話だが、今後も「よい音」を目指して、いろいろと更新していくことになると思います。
たとえば、写真。
明るくシャープで、輪郭のはっきりとした「良く写っている」写真が「よい写真」なのだろうか。
それが報道写真、記念写真など「記録」であれば、それは「正しい写真」だと思う。
少しピントが甘くて、色再現性も低い写真、しかし、被写体によっては、それが味わいとなり、
撮影者の表現となる。
音楽にもそういった側面があると思います。
あまり明瞭なサウンドを求めすぎると、結果、「モニター」の音になってしまい、それを試聴することは
音楽を分析することになってしまいます。
心が震えるような感動ではなく、音を聞いて分析するための道具を完成させてしまうことになります。
そういいながら、当分は、「明瞭さ」「音像定位」を求めて試行錯誤していくと思います。
そっちの方が基準を作って方向付けがし易いからです。
ダイアーストレイツのLPは、スピーカーを更新する前から、必ず一日に一回は聞いています。
何かを変えるときは、その前後にできるだけ時間を置かずに聞き比べています。
しかし、気が付けば、ドラムの音、ベースの音、ギターの音、つまり音楽ではなくて「音」を聞いているなと
気が付きました。
いつまでもこれでは、少し不健康だなと思ったので、ここらでちょっと自戒せねばと思ったのです。
音楽も楽しい、音楽と不可分のオーディオに凝るのもとても楽しい。
今日はこのへんで、おやすみなさい。