【しんぶん赤旗 4月17日付け「潮流」】を転載します。
[ジブチで活動する陸上自衛隊部隊が、有志連合軍の墜落ヘリ捜索救助に出動。そこへ命を狙われている女性が駆け込み、襲いかかる武装勢力と「殺し、殺される」自体に▼こんなストーリーの小説『土漠の花』(幻冬舎)が話題です。先日発表された「2015年本屋大賞」でも5位になりました。▼初版は安倍政権が集団的自衛権行使容認などを盛り込んだ「閣議決定」を強行した昨年7月の約2ヶ月後。その後も注目が続くのは、安倍政権のもとで、海外での自衛隊の戦闘が現実味を帯びてきたからかもしれません▼「戦争立法」を先取りするかのように、自衛隊の訓練は強化されています。昨年1~2月には、陸自は米本土で米軍から砂漠での戦車戦の指導を受けていました。本紙日曜版(12日号)が伝えました。巨大な砂漠は日本にはありません。一体何のための訓練だったのか。▼「残忍性」。陸自幹部が冷戦後の自衛隊に必要な資質をこう表現したことがあります(『陸戦研究』2006年3月号)。数百メートル離れての撃ち合いと異なり、現在の市街戦では相手の顔が見える距離での戦闘になる。陸自も使う5.56ミリ小銃弾の場合、胴体を撃ち抜いても絶命するのに8秒程度かかる。だから米軍は、間髪を入れず再度同じ照準で射撃し、さらにもう1発即死する場所に弾を撃ち込むと▼陸自幹部は説きます。「ある意味非情さが必要だ」。こんな事態に自衛隊を巻き込ませてはなりません。「戦争する国づくり」を許さぬたたかいは、まさに正念場です。]
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