Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

本当は、その1

2016-09-23 09:16:01 | 日記

 漸く事も終わり一息ついたかと思う頃、学校でのことです。

私は何かの用があり、階下から教室に戻る為階段を上る途中でした。

踊り場でバッタリかー君に出会いました。

 階下にも階上にも、もちろん階段にも2人以外誰もいません。

私はちょっとびっくり、それでもさりげなく笑顔で彼をやり過ごそうとすれ違います。

、下へ行きかけたかー君が

「やっぱり今日遊びには来ない?」

と、否定する形で私に誘いかけてみるのです。

だめよ、もう私は断るしかないのに、と、私はええと断ります。

これで済んだと私は思ったのです。階段をあがろうとします。

 すると、かー君は早口で続けて話しかけてきます。

Junさん、いろんな事があって僕の家に来るのが嫌になったんだね。と、彼は感慨深げ

な様子でした。

 そうよ、少しは私に同情して欲しい、そんな事を考えてかー君を見ると、

Junさん、僕一懸命勉強するよ、勉強して勉強して、学者になってノーベル賞を取ったら、Junさん、僕と結婚してお嫁さんになってあの家に来てね。

と、矢継ぎ早に畳み掛けるように言われました。

私はびっくりして気が動転してしまいました。

 こんな場合、考えてみます、と先送りするべきなのですが、 

全く予想だにしていなかったかー君の言葉に、私の思考回路はほとんど麻痺してしまいました。

 

 


淵にならない固まり

2016-09-23 07:56:50 | 日記

 さて、家に行かなくなったからといっても同級生、クラスも同じです。

今まで通り私達が学校で顔を合わせることに変わりはないのでした。

当然、学校で今日遊びに来ない?と誘われます。 

もちろん、私は断ります。

でも、1回なら本当に都合が悪いのかなと思われますが、これが2回3回と重なってくると、 

どんな用事なの?と彼に都合の悪い内容を聞かれます。

 先に別のお友達と約束したから、親戚のお家に用があるから、などなど、勉強が遅れているから確り家庭学習したいから、と私の方はそんな言い訳をしてその場をしのぎます。

そうすると、彼もそれならすぐ終わるね、終わってからでも来てね、と食い下がってきます。

こうなると長時間の用事なので行けないと押し切るしかありません。

実際、用もないのに無理やり用を作り、友達の家で長居したり、遠い親戚まで本当に出掛けて行った事がありました。

 でも、私が断れば断るほど、段々熱心に執着して来るかー君でした。

今から思えば、確かに人って断るほどに熱心になるものなのかもしれません。

 このように、段々閉口して困って来た私です。いつまで断り続けられるでしょうか。

お母さまとの指切りもあるし、嘘ついたら…の針千本が目の前に迫ってきます。

彼に押し切られて彼の家に行き、やっぱり来たわね、嘘をついたわね、針を飲みなさい、と迫られる悪夢まで見ました。

この頃は毎日がげんなり、灰色の日々となっていました。

 しかしその内、かー君の方でも私は彼の家の方へ行きたくないのだと分かって来ました。

その時の彼の話の内容から察すると、ご両親やお店の人達と私の経緯を彼は知っていました。

何故私が彼の家に来なくなったのかと、皆に理由を聞いて回ったのかもしれません。

 父に言われて、お店の人達の事も考えて、母ともあったようだし、段々僕の家に来たく無くなったんだね、と、言ってくれたものです。

彼に私の事情が分かり話も通じたようです。

これで彼は誘ってこなくなるだろうと、私は、事が一件落着したとほっと安堵のため息を吐くのでした。 

 私は、彼がそんな事情が分かった話をするまでに、盛んに誘うかー君の態度や勢いに飲まれていました。

段々か―君への恐怖を増して行ったのです。 

このまま彼を断り続けていく内に、彼は何時か私を怪我させるんじゃないか、

または本当に彼に殺されてしまうのではないか、そんな恐怖心に駆られて行きました。

これが恋なら、段々と積もって淵となって行くのですが、恐怖に心が段々と凍り付いて固まって行くのでした。