漸く事も終わり一息ついたかと思う頃、学校でのことです。
私は何かの用があり、階下から教室に戻る為階段を上る途中でした。
踊り場でバッタリかー君に出会いました。
階下にも階上にも、もちろん階段にも2人以外誰もいません。
私はちょっとびっくり、それでもさりげなく笑顔で彼をやり過ごそうとすれ違います。
と、下へ行きかけたかー君が
「やっぱり今日遊びには来ない?」
と、否定する形で私に誘いかけてみるのです。
だめよ、もう私は断るしかないのに、と、私はええと断ります。
これで済んだと私は思ったのです。階段をあがろうとします。
すると、かー君は早口で続けて話しかけてきます。
Junさん、いろんな事があって僕の家に来るのが嫌になったんだね。と、彼は感慨深げ
な様子でした。
そうよ、少しは私に同情して欲しい、そんな事を考えてかー君を見ると、
Junさん、僕一懸命勉強するよ、勉強して勉強して、学者になってノーベル賞を取ったら、Junさん、僕と結婚してお嫁さんになってあの家に来てね。
と、矢継ぎ早に畳み掛けるように言われました。
私はびっくりして気が動転してしまいました。
こんな場合、考えてみます、と先送りするべきなのですが、
全く予想だにしていなかったかー君の言葉に、私の思考回路はほとんど麻痺してしまいました。