Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

ファイト!

2016-09-03 21:11:59 | 日記

 さて、中に入ると彼が待っていました。

もう呼称を付けます。どう付けたらよいか決まらずここ迄名前無しで来ました。そ―さんでどうでしょうか。

 そ―さんもまた静かでした。さ―さんが彼女に確認します。去年の人はこの人で合ってる?彼女はええこの人ですと言います。

じゃあ、と、そ―さんに案内されてテーブルに着きます。私達が腰を下ろすと、そ―さんは店内を奥に入って行きます。後姿が照れ照れでした。

昨年会ったお喋りな彼そのままのようです。

 少しするとそ―さんは戻って来て、私達は4人で話し始めました。そ―さんは相変わらずお茶らけていましたが、昨年より落ち着きが出た感じでした。

何を話したかよく覚えていませんが、そーさんも今年海に行っていたそうです。私達が行った日には行かなかったとの事、昨年の日にちまではそーさんも覚えていなかったようです。

私達は昨年の自分達の態度をお詫びして、あの後の電車の中での事を話したりしていました。彼女はここでもどちらかというと静かで、あまり喋りません。そこで、業を煮やした私はせっせと彼女の気持ちをそ―さんに伝えます。出会いから今まで、彼女の言動を伝えて切々と訴えました。

昨年出会った時、私もそ―さんをよいなと思った事、またどこかで逢えたらよいなと思っていた事、そんな私よりはるかに深くそ―さんに思いを寄せている、彼女はきっと会いたい言っていたのだと、彼女の気持ちを訴えたのです。

疲れました。

 言いたいことを言って一息ついて、ぼーっとしていると彼女が話し出しました。

気が抜けた私はその時の彼女の話を覚えていませんが、彼女の話が終わるとそ―さんがバイト中という事もあり、私達は早々に引き上げることにしました。

 駐車場への道すがら、彼女にも疲れたでしょうと言われて、私はええと、本当に脱力感を感じていました。元々私は丈夫ではなかったので、一気喋りをして相当疲れました。

それでも、彼女が自分で頑張った最後の場面、店前まで送って出てくださったそ―さんに、お友達になってくださいと握手を求めた場面は、今まで静かだっただけに、彼女のどこにこれだけの勇気があったのかとびっくりしました。気にとられた感じでした。

私にとっては脱力感の帰途でしたが、一年間彼女の停滞していた恋に進展があってよかったと思いました。うまく行って欲しいと願っていました。

 


恋する乙女

2016-09-03 11:50:48 | 日記

 次の日かその次の日、早々にさ―さんから電話がありました。

同級生のアルバイト先を調べたから、バイト時間にそこへ連れて行ってあげる、友達も誘って来るといいよというものでした。車で連れて行ってくださるそうでした。

友達に電話すると大喜び、とても嬉しそうでした。もちろん何が何でも用事があっても行くとの事で、待ち合わせ時間と場所を知らせます。

とんとん拍子に事が運び、私は友人の恋に進展がありそうなので嬉しく思いました。途中になっていた課題に仕上がる目途がついた感じです。

 良いお天気でした。友人と2人で先日さ―さんと待ち合わせした同じ場所で待っていました。さ―さんがこの前と同じ車でやって来ました。

3回目の乗車になると慣れたものです。友人を促して車に乗ります。彼女が少し躊躇した様子なので先日の私と同じだなと感じます。男の人の車に乗せてもらうなんて抵抗ない?と、ポそッと囁かれました。

家にさ―さんから電話が掛かって来てお父さんも知っているから、それで安心だなと思って。あ、そう、Junさんのお父さんが知っているならと、急に彼女も大胆になり乗る気になりました。(父って案外信頼されていたんですね、今から思うと。

 大学のある駅の近くの喫茶店でバイトをしているとの事で、人の恋路を助ける2人は意気揚々と旅路です。彼女は何だか静かでしたが、時折元気を出して話に入ったりしていました。多分、不安と期待に胸膨らませていたんでしょうね。

車を駐車場に入れて、歩いて喫茶店に向かいます。終始彼女は静かでした。話しかけると元気に明るく答えて話題にも入ってくるのですが、やはり本来の彼女の明るさではありません。ここは私が頑張らなければ、今日、何としてもこの彼女の恋の白黒の決着を付けなければと決意します。

恋の決着が付かないであれやこれや考え込むなんて、何とかの生殺しみたいにすっきりしなくて嫌なものです。実際、彼女は、あれから1年も経つしもう彼には彼女が出来たんじゃないかと思うと電話できない。と言っていました。恋する人間は何でも考えてしまうんですよね。あれこれ夢想してしまうんです、私にも分かりました。

 喫茶店の前でさ―さんは、彼がいるか様子を見てくる、話をして会うかどうか聞いてくるね、と私達2人を待たせて中へ入りました。

「さ―さんて確りしていていい人ね、連れて来てもらって良かった。

彼女はほっとした様子で言いました

「いきなりだと、どうしていいかと思っていた。s」

とも彼女が言うので、私もそうねと同意します。

その上ハンサムだし、そうね、Jnuさん付き合ったら、そうねいえ、そういう訳にもいかない、さ―さん彼女がいるから、そんな話をしていました。

 さ―さんが中から現れました。会ってくれるということで、友人は大喜びで目をきらきら宝石のように輝かせていました。今にも目が顔から溢れて転げ落ちそうな感じでした。この時の彼女は見た事が無いほど本当に美しかったです。

『本当に好きなのね

私は彼女の気持ちを実感しました。

 

 


連絡の約束

2016-09-03 07:35:48 | 日記

 昨年末の話はどうなったの?

さーさんは全く動く気配なく話し始めます。

話は、さーさんの同級生の海であった人のことです。私の友達はどうしたのか、その後の展開が気になられたのでしょう。

言われてみて私もハッとしました。今年も出会った同じ日に海に行こうとその友人から誘われ、友人がそうだったという日に海に行ってきました。友人は年末あれだけ感激しておきながら、私もさーさんにとても感謝していながら、事は全然進展していませんでした。

 今年も会える事を期待して同日に海に行った事でお分かりなように、彼女はあれだけ有頂天だった年末から何もアプローチしていない事に、既に春から私も驚き飽きれていました。

「恥ずかしくて電話出来ないというんです。…。」

彼女の話や様子を説明して、つい先日の海行きの誘われ方、海での様子など説明しました。必ずと言っていたのに、あの情熱はどうしたんでしょう、やたらと気が弱くてびっくりなんです。と、訴えます。

流石に男の方ですね、僕に任せて、という感じでした。向こうの様子を調べて電話するとの事でした。

その後急いでブリザードの吹き荒れる個室を脱出、コーヒーショップを後にするのでした。

 お店の前の駐車場に出ると、外は真夏の炎天下です。暑さにほっとするのですからいかに冷え込んでいたかがわかります。さ―さんも初対面のコンパのイメージを一新して爽やかな夏のイメージになっていました。

イメージが定着すると、車に乗るのも何の抵抗も無くなってしまいました。自宅まで歩いて帰れる距離でしたが、ありがたく申し出に従い帰りも車で送ってもらいます。 

 何気ない会話をして、待ち合わせ場所に近い道の途中で急に車が止まると、窓から明るい感じの男の人が顔をのぞかせて来ました。

さーさんと何やら話をしています。

「夏休みだから、生徒指導だよ。」

という声が聴きとれました。

 その後、やあ、と私にも声をかけてくださるので、初めましてと挨拶します。

さらだね、おニューだね、などとにこやかに明るく話をされて、いいじゃないか頑張れよと、言われると。

その方に送りだされて車は出発しました。

「兄さんなんだ。」

ああ、道理で、お友達にしてはやや年配かなと感じていました。

「明るい感じの方でしたね、お日様のイメージ、で輝いていました。」

と、私は最大限の敬意を払って言いました。

「そう、兄貴に言っておくよ。」

何を?と思いましたが。私の受けた印象が明るいイメージだったという事かなと、向こうでも悪い印象は持たれないだろうと思っていました。ピカピカでしたね、そう?ピカピカ輝いていました。分かる?そうか、分かるもんなんだ。

そんな会話をする内にもう待ち合わせ場所です。

 ありがとうございましたと降りようとすると、家まで送るよという事で車は再発信します。いえ、いいでえすよ、と2度ほど遠慮しましたが、結局家の前、向かいの家の前で降りることになりました。

「向こうが私の家なんです。」

古めかしい家に、恥ずかしい気がしながら、では、電話するから、ありがとうございます。そんなやり取りをしてその日は別れました。