Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

172回

2006-03-31 23:59:00 | アート・文化

よい天気になりました。公園にも行ってみようかと思います。

     「エイプリル・フール」

 今日は馬鹿な気分になって馬鹿馬鹿しく騙されてこよう

三月のウサギ達も去ってしまったのでもうすぐクマも完成する

ピンクのスニーカーを履いて野原模様のブラウスを着て

コート片手に散策逍遥三歩進んで二歩下がろう

 今日は馬鹿な気分になってふらふら浮かれてこよう

三月の雪も去ってしまったので綿雲と雨ばかりのキャンデイボックス

アットホームな帽子を被ってAラインのスプリングコートを靡かせて

不思議なアリススプリングスコートでお茶会しよう

 今日は馬鹿な気分になってようようお喋りしてこよう

三月のお別れも去ってしまったのであとは出会いのセレモにー

付け下げ留袖色無地選んで春色スーツでダブルにシングル

コサージュ装身白金小金珠も連ねて角だし珊瑚に馬耳イヤリング

 今日は馬鹿な気分になって馬鹿馬鹿しく騙されてこよう

  (今日は4月1日、前日回だけ保存したら4月に日にち設定できなくなりました。今4月1日の9時50分です。…本当でしょうか?)


合宿での事

2006-03-31 18:30:00 | ブログ

 今日ブログを読んでいたら、知人の死を悼むものがありました。それでふと高校時代の合宿の事を思い出しました。

 合宿最終日の前日、午後の一休みをしている時でした。顧問の先生が私の名を呼び、3組の○○って知っているかと尋ねるのです。私には性別さえ分からない同学年の生徒でした。

 「実は亡くなってね、昨日バイクの事故で死んだんだよ、知らない生徒だった…」

ビックリしました。知らない生徒でも同学年、16、7歳の早すぎる死はショックでした。私にとっては顔を思い浮かべることが出来ない生徒、練習に入るとすぐに忘れてしまったのは他人事のようでした。が、もう一人の同学年の部員にとっては、顔が分かっていただけにショックが尾を引いていたようでした。折に触れて私にその生徒のことを話し掛けてくるのです。けれども、私の「驚いたね」「ビックリだったね」「早いねぇ」の通り一遍の言葉が続く内に話題は途切れ、話を打ち切り沈黙してしまいました。

 翌日、合宿も終わり帰途の電車を降り、駅から地下への階段を下りた所で私は同級生の友人に出くわしました。顔見知りでも親しくない同学年でした。けれども2人とも大声で「知ってる?○○君の事?」パタパタ駆け寄ると「亡くなったんだって!」「知ってたの…」と、同じ様な声掛けと反応を繰り返したあと、地下街の入り口で声高にしゃべり始めたのです。

 何だ知ってたの、ニュースの伝達者の先人よろしく嬉々として出会って話し始めた2人でした。以降話題の知識の豊富さを競うようなお喋りが続き、ふと、私は我に返りました。

 『私達は同学年生の死について喋っているんだわ、人の死について喋っている、人の死は嬉々として話すことかしら?! 』

辺りを見回すと、私達に注意を向ける人はいないようでした。通る人は他人事、気にも留めていない、というより話を聞いてさえいないようでした。話を続けながら、私は辺りの商店の奥、ウィンドウの中の空間に思い至りました。

 店員さんがいるわ、動かずに聞いている人々。私は最新のニュースを伝達するという興奮から同年代の死への鎮魂へと、徐々にムードを変え話題を終わらせようとしました。

 が、相手のペースは衰えず益々盛んになってゆくのです。私が無理やり話を終息させようと思った時、相手は階段上に別の話し相手を見つけ沈滞気味の私をその場に置くと駆け上がっていきました。

 別れの挨拶をそこそこに私はその場を離れました。いったい如何してあんな大声で同学年生の死について喋ったりしたんだろう。後悔しながら地下街を貫け、ほっとして振り返ると、背後に私の後をうけて話し始めた同級生がいました。

 2人の話題の終息の早さにちょっと驚き、私が微笑んで話しかけようとすると、相手はばつが悪そうに顔を背け俯いて目を伏せ、足どりも渋り二の足を踏むような状態で、話題の嫌悪をはっきりとその表情に表していました。

 元々そう親しく無い同級生、軽く会釈すると私はそのまま向き直り、歩を速め帰路を急ぎはじめました。人の死について往来で迂闊に話すべきじゃなかった…。そうはっきり感じていました。

 思えば、部活の同学年生も先ほどの私のような気持ちになったのかもしれない。亡くなった生徒を知っていた者と知らなかった者の差。私の無頓着な応対が昨日の沈黙の原因だったのだと思い至りました。話題の速さに自慢げに笑顔さえ浮かべていた、私のそんな不謹慎が思いやられました。

 まだ経験の浅い思春期、青春期、身近な人の訃報に触れて思うこと多々あった夏の合宿の日、今日はそんなことを思い出していました。

 ちゃんとお悔やみが言える人はえらいです。 


171回 「名残の寒波」

2006-03-31 13:00:00 | アート・文化

今日はのんびりしていました。朝積もった雪にやっぱりと思い、6年前を思い出していました。

      「名残の寒波」

 遅い寒波のおかげで観察できた霜柱

神様に感謝しなくっちゃ そう思った嬉しい雪の晦日

今年は…きっとあの時の私のように観察する人がいたのだ

そして…きっと遅い寒波の幸運を神に感謝しているに違いない

あの時の私のように無我夢中で健康を害することの無いように

一つのものを追い求め楽しむゆとりを失くさぬように

ああ…それでも私は多くのものをあの名残の雪と共に得たのかもしれない

 (本当にそうかなぁと思う、2008年の秋。修正中)


170回

2006-03-30 20:20:41 | アート・文化

寒いです。夕方から冷え込み霰なども、白く積もりがちです。

     「風邪坊や」

 気分が悪いといいながら 頬も赤いと鏡を見ていう

風邪、熱は、炬燵で熱を測りながらボソボソ

明日は離任していく先生最後の日

行かなくちゃ駄目って事も無いでしょう

でも最後だし

風邪だからしょうがないでしょう

 何か思い入れがあるのかしら

母には分からない息子の悩み

こんこん こんこん 白く積もってゆく息子の悩み


169回

2006-03-30 12:00:00 | アート・文化

暗いナーと思っていたら、細雪が降っています。明日まで寒いとか、今日は家にいよう。

     「細雪」

 地温が温かいのか積もらない細雪

3月末の細雪 曇り空の向こうには春霞があるのだろう

霞が千切れて細雪 そらそらと黒い地表に降り注ぐ

 草木の息吹が邪魔するのだろう

積もらない細雪 冬の名残の息吹か裳裾のレースのほつれ

するする靡いてとけてしまって 冬の幕引き下りる緞帳

やよやよ弥生の細雪