Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

さよならランドセル、その4

2016-09-25 20:52:33 | 日記

 2日ほどして、珍しくおー君が家に遊びに来ないかと誘います。

何だか話があるし、彼のお母さんも会いたがっているとか、何の話でしょうか?

学校の帰り、少しだけでよいというので出かけましたが 、彼の家に着くや、お母さんが留守との事ですぐに帰ります。

 ガラッと戸を開けて道に出ると、何とかー君にばったり出くわしました。

あれ、かー君、どうしたのと言うと、何だか近くに用があった帰り道だとか、こんなところでか-君に出会うなんて意外でした。

 私がおー君の家から出て来た事を知ると、彼の家にはもう行かない方がいいよと忠告して途中まで送ってくれました。

ランドセルを担いで2人で歩いて行きます。

かー君曰く、Junさん、もうランドセル止めた方がいいよ。

とのことで、何故かしら?と思います。

この前にも、クラスメートのF(この順番だと思うのですが)さんから、

やはりもうそろそろJunさんはランドセル止めた方がいいよと言われていたので、その話をします。

Fさんからも言われていたのかと、私の為にも止めたほうが良いと再び薦められます。

そうね、と、クラスメート2人から薦められたのだから前向きに検討しようと思います。

いくら疎い私でも、何かあるんだと分かるわけです。 

 そこで、何となく胸を見ると、ボタンが留めてある布がよれて開いています。

あ、これね、恥ずかしいと、ボタンの所を拳でグーッと摘まんで布を中央に寄せます。

そうか、胸が開いて恥ずかしいね、ごめんね、見苦しかったでしょう。と、やっと理由がわかります。

そんなこんなで、トンネルの所まで来ると、かー君は用を思いだしたからと、私と別れて引き返して行きました。

 このまた2日後くらいの事です。

再びおー君からどうしてもと言われて断り切れず、彼のお母さんに会いに行くとお母さんはなんと留守でした。

そしておー君の話というのが、

「Junさん、この前の体育見学してたけど、何かあったの?」

という内容でした。

『あったけど、男の子に話せるわけないでしょ。

と、無言で私は思います。

 今日はお母さんに会いに来たの、おかあさん居られ無いなら帰るわ、即!

かー君だってもう来るなと言っていたのに、来た私が馬鹿だったと、おー君の要件に呆れはてて、私は本当にもう何があっても来ないわと思うのでした。

 それにしても、やはり体育を見学したのが災いしましたね。

女の子だけでなく、男の子もちゃんと知っていたんですね、びっくりでした。

そして、凡庸な私は迂闊にも皆に知られてしまったという恥ずかしい経験をしたのでした。

 その後すぐにランドセルは止めて、赤い手提げ鞄を買ってもらいました。

6年生、卒業まで、この手提げかばんで通ったものです。さよなら、ランドセル

 

 


さよならランドセル、その3

2016-09-25 20:18:28 | 日記

 5年生というと、もう思春期の始まりでしょうか。今の子、もっと以前からでしょうか、などは化粧などします。

身長もかなり伸び、女の子の憧れがスチュワーデスだった頃でもあり、私自身もスチュワーデスの合格身長は背丈が欲しいのが願いでした。

この頃になると、早い子は4年生で、ごく普通に順番に、身長に比例して有る物が来ます。

今の若い子達はこういう持って回った言い方をしなくても、ズバッと男女一緒に学校の授業で習うのですが、

私は古いのでズバッと言いにくいです。オンラインだし。

 今の子の授業凄いですよね、言う先生も赤面ですが、授業参観で聞いていた保護者も思わず顔が赤らみ、互いに周りを見回してほほほと、先生も大変ねと、一言いわずにいられません。

 そんな訳で、女子の間では何組の誰それさんがもう来たってとか、あの子も来たって等々、段々と訪問された子が多くなっていく様相でした。

やはり聞いていると身長順に来ていたので、私もそろそろかなと思います。

そんな中、前評判通り、結構順当な順番で回ってきました。

一応学校で指導は受けていましたが、いざ来たらどうしたらよいのかというと、結構流言に惑わされるんですよね。

体育は休んだ方がいいって、何故?激しい運動はしない方がいいんだって、へー、そうなの。

ということで、先生に当たり前のようにこれこれなので体育は見学します、と、告げます。

 あ、そうと、先生も特にどうこうしなさいと言わず、見学を許可。

特にどうということもない体調のまま見学してみると、何故これで見学に回るのかなという疑問が湧きます。

手持無沙汰で1時間を過ごしました。

 後から聞いたところによると、特にひどい状態でなければ普通に体育はOKだと、先生から女子全員に注意が言い渡されました。女子だけ授業が遅れますからね。

以降は普通に体育参加となりました。

この体育見学が問題だったんですよね。


さよならランドセル、その2

2016-09-25 14:13:19 | 日記

 5年生の頃は落ち着いていました。

一時ほどかー君の事が気にならなくなっていました。恐怖心がある程度薄れていました。

それは4年生のある日の出来事がきっかけだったと思います。

 私は職員室に呼ばれました。

クラスの女の子がやって来て、担任の先生が静かに職員室に入ってきてくださいって、と言っていたというのです。

職員室に行ってみると、担任の先生がこっちよと言う風にそ―っと手招きします。

静かにねと言われていたので、静かに先生の傍によると

「声を出さずに静かに聞いていてね。

と言われて、あっちという風に会釈されました。

 会釈された方を見ると、かー君がこちらに背中を向けて、他の先生方と話をしています。

耳を傾けて聞いてみると、かー君や先生方の声がよく聞こえてきました。

 「どうしてあんな子好きだったか分からないんだ。」

というようなかー君の声が先ず耳に飛び込んできました。

あんな馬鹿な子だと思わなかったからなんだ、あの子の方がずーっといいよ。

昔のあの話は無しにしたいんだ。断りたいんだ。

というような事を先生方に言っています。先生方に相談しているとも見えました。

 ね、Junさん、分かった、と担任の先生が普通の声で言われると、

かー君がちょっと驚いた感じでこちらを見ました。

あれっと言う風に、今まで話していた先生方の方にあの子いたの、と言うように身振り手振りで示すと、

なぁんだという感じでした。先生も人が悪いなという風だったんでしょうか。

 先生方に、良かったね、これで話が通じたねと言われると、かー君は無言でさっさと職員室を出ていきました。

特に私に何も言わず去っていったので、私には事情がよく呑み込めませんでしたが、

話しに出ていたあの子は私の事なのかな?

では、馬鹿な子と思われているのかしら?

など思っていると、

「Junさん、分かった、これであの子の事は気にしなくてよくなったのよ。」

と言われます。

 私にはあの子が私の前にかー君と何かあった子なのか、私の事があの子で、昔の話になっているのか、または、最後に担任の先生が言われたあの子、がかー君の事なのか、何やら判断出来ずにいたのですが、

兎に角、かー君の事でそう悩むことは無いと、担任の先生が言ってくださったのだという事だけは分かりました。

それで、それ以降少しずつですが、かー君事件から解放されていったわけです。

 この頃は、階段での事件以来4か月~半年くらい経っていたかもしれません。

私の事が昔と言われても不自然では無いくらいの時が経っていました。

そんな時間の経過の中でも、私は結構悩んで沈んだ暗い日々を送っていたものです。

 その後、かー君からは階段事件以来一切お誘いは無いし、特に何等かの声掛けもないし、職員室解決依頼、私も日々回復して、今はもう5年生となっていたのでした。

 

 


さよならランドセル、その1

2016-09-25 11:08:06 | 日記

 1つ学年が上がって5年生になりました。

クラス替えがあり、担任は男の先生に変わり、引き続きかー君と同じクラスになりました。

そして不思議な事に(でも無いのですが)おー君とも同じクラスになりました。

やはりおー君が加わってくると、新学期から嬉しいというよりも困ったような、何だか奇妙な感じがしたものです。

始業式の初日、教室で机に座ると、かー君とおー君をそれとなく見比べたりしました。(嫌ですね、自分でも自分を嫌だなと思いました。

 ただ、幼馴染の女の子も同じクラスだったので、私はほっとしてもっぱらその女の子の友達とくっついていたものです。

放課後もあれ以来女の子の家だけを訪問していました。4年時から私の交友関係は女の子onlyになっていた訳です。

 新学期の初めごろ、やはり放課後の玄関前で、おー君ににこやかに誘われました。

今更と思い断っていたのですが、声掛けが2、3回目になると、放課後遊ぶ友達がいないから寂しいんだ、など言われ、可愛そうな気がしました。

その日はすぐ帰る約束で、彼の家の前迄と条件を付けて話に付き合うことにしました。

長く話などしていないのですから、2人で何を話してよいかわかりません。    

だから、この時何を話したか全く覚えていません。

 おー君の家の前まで来ると、彼のお母さんが出迎えてくれました。

「あら、Junちゃん、Junちゃんでしょう、随分久しぶりね、娘さんらしくなって。

おばさんも何だか寂しそうでした。静かな微笑みを湛えていました。 

 幼少から私を知っているおばさんにそう言われると、流石に少々はにかんでしまいます。

おばさんにお茶でもと言われて、いえ結構です、すぐ帰りますから、

玄関先までの約束だから、とおー君にもさようならをします。

 5年生ともなると宿題も多くなり、私にとっても勉強は大切な物という認識を持つ時期になっていました。

何しろ、3年、4年とかなり勉強は難しくなり、学校の授業だけで来ている私は、

時にそれは酷い点数を取る時があり、自分でも自分が馬鹿ではないかとどぎまぎして、相当自己嫌悪に陥る時がありました。

それで、授業中や宿題プリント、学校でのテスト解答解説にはとても熱心に取り組むようになっていました。

忙しいのはおー君だって同じ事だと思い、勉強に忙しいからと言うと無理には引き止められないのでした。

 それでも、新学期はこの後も2回くらい断り切れなくて、おー君の家迄行ったものです。人がいいですよね私。

その内の最後の日、おー君のお母さんが彼を使いに出しました。

そして私に、改まって、彼が誘っても無理して来なくてよいのよ、と言ってくださったのです。

本当は来たく無いんじゃないの、と。

 それで私も正直に言います。

実はもうおー君とは合うお話も無いし、4年生の頃から女の子のお家しか遊びに行っていないから、おー君に限らず男の子のお家には来たく無いんです、とはっきり言います。

 そうすると、おー君のお母さんは、今後彼には私を誘わないよう、うまく言っておいてあげる、

おーが帰ってくる前に帰りなさい、と仰るので、

私はほっとして、おばさんにも小さい頃からお世話になりました、と、ありがとうを言って家を出ます。

おー君の家にはこれっきりと思い、後を振り返りもしないで足早に帰るのでした。