Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

お愛想

2016-09-11 13:14:57 | 日記

 特に友達という事はなく、同級生という事で、店員さん達も説明を受け、私もそれじゃあと帰ろうとしましたが、折角だからお茶でもとお誘いを受けました。

いえ、そんなと遠慮しながらかー君の顔を見ていると、にこやかで、ついおー君のことを思い出してしまいます。

背も高いし、ハンサム、成績だってクラスでも1番、多分、と思うと、余程おー君なんか比べ物になりません。

非の打ち所の無いかー君に何を断る理由があるでしょう。

おー君を思いだしてしまったので、がぜん腹が立ってきました。

 「それでは、お言葉に甘えて一杯だけ。

と、態度だけはしおらしく、ずうずうしく履物を揃えて上がり込んでしまうのでした。(恥ずかしい

 畳のお部屋に通されて、座布団を出されると、いやいや座布団なんか結構ですよ、そういいながら勧められるままに、いや、どうも申し訳ありませんと言いつつ座ると、お構いなく、お番茶でいいですから、などと言います。

実は、幼い頃から父の外交に自転車に乗せられて付いて行った事がある私です。父の受け答えが身についていました。

この辺り、父の言い回しです。

 大人びた言葉使いに、陰で笑われていたのでしょうが緑茶が出されて、しぶしぶと啜っていると、男の人が顔を出しました。よく言う時候の挨拶か何か、父が言っていたようなことを話すと、ま、こっちへ、と、奥の部屋へ通されてしまいました。

 どうもそこは子供部屋のようでした。本やパズルなどが置いてあり、かー君もやって来て一緒にパズルなどしてその日はそこそこに帰って来ました。

「また遊びにきてね。

そう言われて、うんと言わない子は滅多にいないと思います。


思いもかけず

2016-09-11 10:51:32 | 日記

 さて、やって来ましたルート何番目かの立ち寄り所。

何時ものようにうっとりとして見つめるのはガラス越しのマネキンです。

ステキ、あの服が可愛い、この色の組み合わせが素敵、などなど。

上から下まで、頭の天辺から爪先まで、近くに寄ったり離れて見たりしてマネキンのコーディネートを鑑賞します。

一頻鑑賞すると、今日もいいものを見た、と心明るく引き上げるのでした。

街歩きの最後は気分良く閉めくくりたい、その良い気分のまま家に帰りたいと思うと、この場所はルートの最後に回されるのでした。

 そんな何回目かの鑑賞の時、お店の中から店員さんに声をかけられました。

「坊ちゃんのお友達でしょう

坊ちゃん?誰かしら、全然想像もつきません。

歳なども尋ねられて、私が言うとやはりこのお店の坊ちゃんと同じ年、小学校も同じだという事でした。

えー、誰かしら、坊ちゃんというからには男の子ですよね、ちょっと不安が過ぎります。男の子との付き合いには懲りて間もなかったですからね(かなり直近でした

すぐさま消えようとする私を呼び留めて、今坊ちゃんを呼んで来るからと店員さんは奥へ入ります。

この間に消えようとしたのですが、残っていた店員さんに、返すと今呼びに行った人に怒られるから、坊ちゃんに怒られるから、などなど引き止められて、とうとう私はこのお店の坊ちゃんと顔を合わせることになってしまいました。

「あれ、この子

出てきた坊ちゃんはびっくりしましたが、私も知っている顔にびっくりしました。

「ここって、かー君のお家なの

同じクラスの男の子のお家だったわけです。

 私はここで迷います。かー君なんて呼称を付けると彼は気に入らないんじゃないでしょうか。だって烏みたいですからね。いつの世も男の子の好きなcar、カーのかー君と思ってください。(親衛隊の皆さん、いいですよね

分かりましたか

そう、彼は同級生の中でも群を抜くハンサムで、背も高く、学力優秀、此処が家なら大きな商店のお金持ちの坊ちゃんだったんです。