Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

サスペンス思考

2016-09-17 19:56:59 | 日記

 いつも優しいかー君でしたが、何だか段々怖くなって来ます。

まさかね、と私は思うのです。が、一旦気になりだすと、過去の何でも無い事でも気になって来るものです。

折に触れて気になっていた事が段々思い出されて来ます。

 かー君が飼っていた子犬が急に亡くなった事。

 父に不美人と言われ、あまり外出するなと言われてしょ気ていた時、その話をかー君にした後、父が銭湯から帰ってくると顔に怪我をしていた事。

髭剃り中に打つかって来た子がいたそうです。こんな事初めてだと言っていました。父にお前に関係あることじゃないかと言われてドキッとしたものです。

 遊びに行った場所で、ばったりかー君に出会い、彼に行かない方がいいと言われた場所に行くと、無数のトンボの羽が地面に積もり風に舞い上がっていた事。本体が傍に固まって積み上がっていました。

空恐ろしい光景で、あんなものはその後見たことがありません。

行かないように言ったのに、やっぱり来たんだ。と、いう声に振り返ると彼が戻って来て私の後ろに立っていた事。

 かー君のお家で、花瓶に差された新しい花束をふと何気なく持ち上げると、茎が短く切り込まれていて、花瓶の下の水までかなり距離があり、花が全く給水できない状態になっていた事。

そんな事が一つ一つ、私の恐怖心として積み上がって来るのです。

 

 

 

 

 

 


符合する言葉

2016-09-17 13:59:04 | 日記

 お母様の言葉を考えつつ、私はその言葉に符合するある出来事を思い出していました。

幼少の頃、ご近所の女の子の家に何回か遊びに行った時の事です。

その子はほとんど外に出ることが無く、家の中で遊んだものですが、ある日遊びに行くと、少し遊んだ後お母さんがその子を呼びます。

その子がいなくなるとその子のお姉さんが現れて、あの子嫌だったでしょう、今の内に帰りなさいと言うのです。

私は言われるままに素直に帰ったのですが、その次遊びに行くと、その子は酷く怒っていて、何故この前黙って勝手に帰ったのかとむしゃぶりついてきたのです。

 私は合点がいかず、お姉さんに言われるままに帰った事を言っても、その子は全然信じようとしないのでした。

その後彼女はお姉さんに聞いて来たようですが、どうもよく分からなかったようで、もう、黙って帰らないようにと頼まれました。

その日は本人にちゃんとさよならをして帰ったのですが、後日また同じ事がありました。

 また彼女は遊んでいた部屋から呼び出されて消え、今度は彼女のお母さんが現れました。

彼女の事を、あの子嫌でしょうと言われ、あの子がいない内に帰りなさい。戻って来ない内に帰りなさいと言われるのです。

前回の今回ですから、私もこのままでは前の時の二の舞になると思いました。

 彼女の家中に聞こえるように帰るからねと声をかけたのですが、応答はなく、結局本人には出会えず、探すにも他人の家では限りがあるので、私はそれ以上しょうがなくて彼女に会えないまま帰りました。

すると、次に遊びに行った日にやはり彼女にむしゃぶりつかれて、言ってあったのに黙って帰った、約束を破ったと罵倒され、散々な目に合いました。

 もちろん私は彼女のお母さんの言葉や、私が出来るだけの事をして仕様が無く帰った事を伝えます。

そこでもちろん彼女も真偽を確かめに行きました。

戻って来た彼女は、お母さんは帰れなんて言ってないと言っていた、と怒って、私を嘘つき呼ばわりして譲らないのでした。

私も繰り返し正直に自分の立場を訴えたのですが、全然ダメでした。 

当然私も怒って帰りました。

 その後、私は彼女の家には行かなくなったのですが、道でばったり彼女に会うと、何時の記憶の事なのか、

この前黙って帰ったと私の体に飛びついて来て締め上げたり、他の子などは首を占められたりしたそうです。

私は彼女のこの奇行が元で、近所で何度か大泣きしている子達を見たことがありました。 

 このような訳で、彼女本人は近所の子供にとても遊びに来て欲しいようでしたが、皆酷く怖がり、嫌がって遊びに行かなくなるのでした。

そうすると、彼女は益々人恋しくなるようで、道に出て来て盛んに人に絡み、何も理由が無くても飛びついて来るといった感じになってしまいました。 

 元は明るくて聡明な女の子だったのにと、昔遊び始めた頃の彼女を思い浮かべて、私は彼女の豹変を不思議に思っていました。

遊んでいても嫌なことは無く、奇行が始まる前は私も自発的に遊びに行ったくらいですから、私にすると話や好みも合う良い近所の女友達でした。

あまりに彼女の乱暴や罵倒が酷いのでまた、真実が通らない理不尽さ、私はそれが嫌で行かなくなったのです。

 そんなある日、私が家の裏で遊んでいると、私の声が外に聞こえたのでしょう、木戸越しに彼女の声がしました。

私に表へ出てきて遊んで欲しい言うのです。

その時の彼女の声は陽気で明るかったので、誘われるままに私は何気なく出て行きました

すると彼女の態度は急変し、襲い掛かられ締め上げられて、私はまたとても酷い目に合ったものです。

彼女の乱暴は腕を上げていました。

この時は私も、とても酷くて泣きました。 

彼女は同級生でしたから、腕力的にそう差は無く、私も泣けば負けと、それまでは苦しくても泣いたことはありませんでした。

手加減などせず、こちらが身動き取れない形でぎゅっと締め上げてくるのです、苦しくて仕様がありませんでした。

 その後、私はきっちりと用心して会わないのが一番と、彼女に声色よく呼ばれても絶対出て行かなくなりました

2度と遊ばないことにしたのでした。

 その後、彼女の奇行は収まったようでした。

しかし、4年生の頃、道で私達一行はばったり出くわしました。

私はいとこ達と一緒、向こうは家族連れでしたが、すれ違って少しした所で彼女は追いすがって来ました。

私の後ろから首を絞めたのです。

かなり長く首を絞めるので息ができず、また大変な目に合いました。

向こうの家族もすぐには止めに来なくて、傍にいたいとこ達も彼女の勢いに飲まれて身動き取れずにいたようでした。

この時も私は、事前に彼女に対して何も行動を起こさなかったのです。すれ違っても視線を合わせなかったのですが、彼女が言うには

「私の方を見て皆で悪口を言って笑っていた。

と言い張るのです。

何を悪口言っていたんだと私の首を絞めるのですから、しかもその閉め方が如何にも堂にいっていて

この時は手を首に回して人の背中に自分の体重でぶら下がるというような、どこかで絞め技でも習っているのかというような堂の入りようでした。

私はそれこそ気が遠くなり、もう少しで窒息して死ぬかと思いました

小さい子の死への恐怖は相当な物です。私も身を持って体験しました。 

 以前、ご近所の小さい子が散々泣いていたり、視点が定まらず目が宙を泳いでいた姿を見たことがあります。

誰それちゃん、あの子に首を絞められておかしくなったんだって、という話もありました。

この時、その子達がおかしくなる理由が分かった気がしました。

自分が殺されるという、死への恐怖です。

ご近所の子は私も含め皆、彼女の手洗い洗礼に相当な恐怖を味わったのでした。

それはうーちゃんも例外ではありませんでした。

 さて、問題のその子がおかしくなった頃、彼女の家に遊びに行った時、彼女のお母さんの言った言葉がこうでした。

「あの子は感情が強いから、思い込みの激しい子だから、気を付けてね。嫌になったらすぐに帰っていいから。」

私はこの酷い彼女の乱暴の事かと、飛びつかれたり、締め付けられたり、最後は首を絞められたりした時に実感として感じ、納得したものでした。

こちらでは何という理由も見つからないのに、突然彼女の気色が変わって襲って来るのでした。

訳が分からないだけに皆恐怖心を煽られて、一時ご近所中で彼女はとても酷い子、大嫌いな子のワースト1に上げられていました。

 「感情の強い子だから」「思い込みの激しい子だから」

この言葉は私にとって、彼女の酷い乱暴とその時の恐怖を甦らせるものでした。

多分他の子達もそうなのではないかと私は思います。

この言葉をかー君のお母さんから聞いた時、ぶるっと悪寒がしたものです。まさか、もしかすると彼もそうなのかしらと。


風立ちぬ

2016-09-17 07:01:05 | 日記

 そんなある日の事、私がかー君の家から帰る道で、道といっても彼の家の横手になります。勝手口に彼のお母様がしゃがみ込んでおられるのに出くわしました。

私が、おばさんお邪魔しましたとお別れの挨拶をすると、彼のお母様は、私にちょっと話があってあなたを待っていたのと仰るのでした。

「あなたが家に来られるようになってから長くなるから…」

と、あなたを見ているとそうでもないようだし、あの子の方は…と話が始まりました。

 その後の話は、かー君は思い込みの強い子だから、あなたは女の子だし、このまま来ておられてあなたの方に何かあっても困るから、あなたの方で気持ちが無いのならもう来ないで欲しいというものでした。

私にとって憧れの母親像であるかー君のお母様の申し出です、考えてみてねと言われると、その日は見送られて帰りました。

 その前後して、多分お母様より早かったかと思いますが、かー君のお父様からも私は面と向かって一言いわれていました。

全ての言葉をきちんと覚えていませんが、あなた何で家に来るのか、と言われ、

「財産目当てなんでしょう。私は将来あなたを嫁とは認めないからね。

というような言葉でした。

 もちろん、びっくりしましたが、確かにかー君の家は大きな商店でしたから、お金持ちです。

『そうか、お金持ちのお家に遊びに来る時には、こんなトラブルもあるのだと考えておかなければいけないんだわ。』

と感じいったものでした。一つの衝撃的な経験として受け止めました。

 それで実際にまた来ていたのですから、お父様にされるとびっくりの呆れた事だったことでしょう。

これは何故かというと、私にするとここへやって来るのはもちろん財産目当てではなかったから、

加えて、お嫁さん云々の野望は、以前書いたように全く気にもしていなかった事柄だったからでした。

保護者の方が心配する程当時の私の成長年齢は成熟していなかったわけです。

 『男女7歳にして席を同じうせず』

とも未だ言い合う時代でした。

私も小学校に上がった時点で、Junちゃんのちゃん呼びから、Junさんのさん呼びに周りが変わり寂しさを覚えたものです。

皆がそうでした。理由を尋ねると上の言葉を言われたものです、そうだからと。

私が未熟だったからと言えばそうですね。

ご両親にこういわれた時点でぱったりとかー君のお家の出入りを止めればよかったと思います。

祖父にも言われていたのですから。