さて、やって来ましたルート何番目かの立ち寄り所。
何時ものようにうっとりとして見つめるのはガラス越しのマネキンです。
ステキ、あの服が可愛い、この色の組み合わせが素敵、などなど。
上から下まで、頭の天辺から爪先まで、近くに寄ったり離れて見たりしてマネキンのコーディネートを鑑賞します。
一頻鑑賞すると、今日もいいものを見た、と心明るく引き上げるのでした。
街歩きの最後は気分良く閉めくくりたい、その良い気分のまま家に帰りたいと思うと、この場所はルートの最後に回されるのでした。
そんな何回目かの鑑賞の時、お店の中から店員さんに声をかけられました。
「坊ちゃんのお友達でしょう」
坊ちゃん?誰かしら、全然想像もつきません。
歳なども尋ねられて、私が言うとやはりこのお店の坊ちゃんと同じ年、小学校も同じだという事でした。
えー、誰かしら、坊ちゃんというからには男の子ですよね、ちょっと不安
が過ぎります。男の子との付き合いには懲りて間もなかったですからね
(かなり直近でした
)
すぐさま消えようとする私を呼び留めて、今坊ちゃんを呼んで来るからと店員さんは奥へ入ります。
この間に消えようとしたのですが、残っていた店員さんに、返すと今呼びに行った人に怒られるから、坊ちゃんに怒られるから、などなど引き止められて、とうとう私はこのお店の坊ちゃんと顔を合わせることになってしまいました。
「あれ、この子」
出てきた坊ちゃんはびっくりしましたが、私も知っている顔にびっくりしました。
「ここって、かー君のお家なの」
同じクラスの男の子のお家だったわけです。
私はここで迷います。かー君なんて呼称を付けると彼は気に入らないんじゃないでしょうか。だって烏みたいですからね。いつの世も男の子の好きなcar、カーのかー君と思ってください。(親衛隊の皆さん、いいですよね
)
分かりましたか
そう、彼は同級生の中でも群を抜くハンサムで、背も高く、学力優秀、此処が家なら大きな商店のお金持ちの坊ちゃんだったんです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます