世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

2024-05-16 02:26:53 | 詩集・こどもたちへ

湯のように沸騰する
賞賛の海を
黄金の船で渡りながら
馬鹿が身悶えている

愛ではないものが
黒い蛸のように
自分に絡みついている
それを取りたくても
取ることができないからだ

取ってしまえばすべてを失う
賞賛の海も
黄金の船も
すべては
その黒い蛸が見せる
夢だからだ

ああかわいそうに
愛ではないものの
吸盤の跡が
赤々と骨にしみこみ
馬鹿は恐ろしく変なものに
変ってゆく

逃げることはできない自分を
足元に引きずりながら
永遠の聖者の仮面に
支配されてゆく
哀れな蛙の魂になる




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