前回の続きです。
法華経の十二番目の話「提婆達多品」に「四摂法(ししょうぼう)」という言葉が出てきます。物事がうまく運び、人びとを助けるための四つの方法です。前回は、この四摂法について書きました。今回は、六波羅蜜(ろくはらみつ)について書きます。
六波羅蜜(ろくはらみつ)という言葉も法華経にしばしば出てきます。六波羅蜜とはどんなものかというと、次の六つです。
布施(ふせ)欲張らず、物や心を相手に譲る
持戒(じかい)決まりを守る
忍辱(にんにく)つらいことにも堪える
精進(しょうじん)正しい努力を続ける
禅定(ぜんじょう)心を落ち着ける
智慧(ちえ)よく考え、真理を求る
六波羅蜜の反対を考えてみると、とてもよくわかります。
布施の反対は、欲張り、自分中心。
持戒の反対は、約束を破る、うそを言う。
忍辱の反対は、すぐあきらめる。
精進の反対は、がんばれない、怠け者。
禅定の反対は、すぐかっとなる。
智慧の反対は、物事を間違って理解する。誤解。
自分中心で欲張り、約束を破り、平気で嘘を言う。努力しないですぐあきらめる、間違った理解をしてすぐかっとなる。そんな人は、みんなから嫌われます。
人に優しく、親切で、約束を守り、忍耐強く、努力家で、落ち着きがあり、自分のことをちゃんとわかってれくる・・・こういう人は、自然と人から慕われ、人が集まり、人に助けてもらえる。私も、この文章を書きながら、日頃の自分を恥ずかしく思います。しかし、少しずつ、こういう人になれるよう、精進していきたいですね。