岐阜県揖斐郡にある谷汲山(たにぐみさん)華厳寺(けごんじ)に行きました。
西国三十三所観音霊場の第三十三番札所、つまり、結願・満願の寺として知られています。
平安時代の初め、奥州出身のある人が、京の都で霊木を用いて十一面観音を彫り、奥州へお移ししようとすると、途中で観音さまは自ら歩き出したそうです。美濃赤坂にさしかかった時、観音さまは「私は、遠く奥州の地には行かぬ。これより北へ五里の山中に結縁の地があり、そこで衆生を済度しようと思う。」とおっしゃると、北に向かって歩き出し、谷汲の地で歩みを止めたといいます。
そこでその人は山中に庵を結び、そこに住む修行僧と力を合わせて山谷を開き、堂宇を建てて観音さまをお祀りしたのが谷汲山華厳寺の起こりだそうです。
ちょうど紅葉が美しい時期でした。
総門をくぐると、左右にお店の並んだ参道が10丁(約1100m)続きます。
仁王門が見えてきました。
仁王門をくぐると、さらに参道が続きます。
参道の両脇には、塔頭寺院や十王堂、地蔵堂、羅漢堂、吒枳尼(ダキニ)天(豊川稲荷)などのお堂が並んでます。
この石段を登ると、本堂です。
ご本尊は、十一面観音さまです。絶対秘仏で写真も公開されていないそうです。
本堂の奥には、笈摺堂(おいずるどう)と呼ばれるお堂がありました。西国三十三所巡礼を満願した人たちが、巡礼中に使った笈摺や杖、笠などを奉納するお堂です。お堂からあふれんばかりにびっしりと奉納されていました。笈摺とは、巡礼中に着る袢纏のような白衣のことです。
参拝のあとは、紅葉のうつくしい境内を散策しながら元来た道を戻りました。
(本文で使用した写真は2013年撮影です)