今年は戦後70年にあたります。8月1日に宮内庁から、玉音放送の原盤をはじめ、先の大戦関係の貴重な資料が公開されました。
(写真は、宮内庁HPより)
宮内庁のHPでは、玉音放送原盤の写真だけでなく、音声や読み上げられた「大東亜戦争終結に関する詔書」の文章も公開されています。
「当庁が管理する先の大戦関係の資料の公表について」宮内庁HP
天皇陛下は、今年の新年にあたり、次のように感想を述べられました。
「昨年は大雪や大雨,さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ,家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
また,東日本大震災からは4度目の冬になり,放射能汚染により,かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時,それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ,地域を守っていくことが,いかに重要かということを感じています。
本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。
この1年が,我が国の人々,そして世界の人々にとり,幸せな年となることを心より祈ります。」
「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。」
今、この国を動かしている国会議員や国務大臣こそがこのお言葉を噛み締めてもらいたいものです。
天皇陛下は、戦後50年の折には、硫黄島、長崎、広島、沖縄、東京。60年の折にはサイパン。昨年は、沖縄、長崎、広島。そして、戦後70年にあたる今年4月には、パラオを慰霊のために訪ねられました。たってのご希望でご高齢とご病気をおしてお出掛けになったそうです。頭が下がる思いです。
サイパン島ご出発にあたっての陛下のお言葉の一節です。
「この度,海外の地において,改めて,先の大戦によって命を失ったすべての人々を追悼し,遺族の歩んできた苦難の道をしのび,世界の平和を祈りたいと思います。」
天皇陛下が、ご生涯をかけて慰霊の旅を続けられることに、私は、陛下の「二度と戦争を起こしてはいけない」という強いご意志があるように感じます。
「二度と戦争を起こしてはいけない。」私たち国民も、そう思っています。