心證寺住職のブログ

諸天昼夜 常為法故 而衛護之 諸天善神に護られて

加野屋の正吉さんが亡くなりました。

2015年12月19日 | 日記

NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」。昨日、加野屋の元主人正吉さんが亡くなりました。

死期を悟った正吉は、「よの(妻)と二人にしてくれへんか。」といって、枕元を取り囲む家族や店の者を下がらせます。

よのの膝に頭を乗せ、一緒に行こうと約束した伊勢参りができなかったことを詫び、二人で空想の旅に出ます。

「うわあ、大きな鳥居やなあ。」「人がぎょうさんいてますなあ。はぐれんように。」

そのとき、正吉の手がすっと畳の上に落ちます。はっとするよの。

「よのさん、手。」正吉の意識が遠のいていくようです。

よのは、正吉の手をしっかりと握ります。よのに抱きかかえられながら、正吉は、神さまに祈ります。

「神さん、頼んまっせ。加野屋と私の一家がどうぞ、あんばいよう生きていけますように。よのさんが、うまいこと生きていけますように。よろしう、頼んまっせ。」

言い終わった正吉はもう、息をしていませんでした。

(画像はNHKのHPより)

こんなふうに、自分の家で、愛する人に囲まれながら、最後の思いを伝えることができて、静かに「息を引き取る」ことができたらと思わずに入られませんでした。

太陽が西の山に入るように、ともしびが燃え尽きるように、人の命が消えていくのを静かに見守ることは、ほんとうに厳かな瞬間だと改めて感じました。

僧侶として、人の死に接する機会が多いですが、この厳かな気持ちを常に忘れずにいたいと思います。

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杉戸寄席 in 心證寺

2015年12月13日 | 心證寺

近所のお風呂屋さん、杉戸浴場の女将さんが隔月で開催している「杉戸寄席」が今日、心證寺で開始されました。4月、10月につづいて、今年3回目となります。

毎回多くの方の笑い声で本堂が満たされ、日蓮聖人はじめ、当山勧請の諸仏諸菩薩も、さぞ喜んでいらっしゃることでしょう。

 

杉戸亭さちこと、主催者、杉戸浴場の女将さん。

家風呂の普及、生活様式の変化、レジャーの多様化、高齢化、市街地の空洞化、車社会・・・

町の銭湯を取り巻く逆風は並一通りではなく、いくつもの銭湯が廃業していく中、銭湯経営の工夫にほんとうに頑張っています。自分の銭湯経営だけでなく、地域の交流とか、街の活性化とかの視点から、銭湯の可能性を広げようとしています。お寺の抱える問題と大きく重なる問題でもあり、刺激されるところです。(杉戸浴場HP)

杉戸寄席の開催も、その流れから始まったと思いますが、そんなことを感じさせない、出ている人もお客さんも実に楽しいひとときです。

 

本日の出演者の皆さん。

 

KOHARU亭けいじろうくんは、来るたびに大きくなって、もう、中学1年生。

しぐさとか、表情とか、大人っぽくなってきました。30分を超える大ネタで、「こんな小さな子がこんな上手に落語するんだ~」というレベルじゃなくて、客との間合いとか呼吸とか、実にすごいです。

けいじろう君、今度の正月、1月1日12時~BSフジ放送の「落語小僧 日本一決定戦」に出場だそうです。

すでに収録済みで、結果は内緒だそうですが、期待していいようです。みなさんもご覧ください。

BSフジ落語小僧

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