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ジョッシュの日記

ジョッシュは好きな映画「big」の主人公の名前からとりました。趣味を大事にしながら長男くんと次男くんの育児に奮闘中です。

フリアン・イエドラス vs 田中恒成

2015年06月01日 17時34分05秒 | ボクシング

フリアン・イエドラス vs 田中恒成


WBOミニマム王座決定戦。同級1位のイエドラスと2位の田中の決定戦で、田中が勝利すれば日本人最速の5戦目での世界チャンピオンとなる。

 

序盤から田中にとってはオーバーペースでの打ち合いを演じる。相手の得意な展開にも有効打を当てたのは田中で、何度もイエドラスをぐらつかせた。またボディ攻撃も有効で、イエドラスは嫌な表情を見せるが、さすがは高地のメキシコ選手、スタミナが全く落ちない。中盤はイエドラスのプレッシャーに押し潰されそうになるが、田中は終盤にフットワークでイエドラスをいなし、ポイントと勝利を手繰り寄せた。

 

田中は華奢な体型で、パンチをよくもらう。フットワークやディフェンス技術もどこかぎこちない。しかし意外とパンチ力があり、そしてスタミナもある。一番の魅力はパンチスピードだが、あとは全体的に平均よりやや高いといった印象。パンチをもらいながらも根性で打ち返す姿は90年代の鬼塚や辰吉が全盛期に頃の日本人ボクサーのようだった。ファンには楽しめる試合だったが、メンタル勝負というのはあまり褒めたものではない。思わず辰吉とラバナレスを思い出した。

 

兎にも角にも決定戦での王座獲得なので防衛戦で期待したい。

 

俺たちのボクシング (双葉社スーパームック)
 
双葉社

ちょうど辰吉が表紙のボクシング雑誌発売中。


内山高志 vs ジョムトーン・チューワッタナ

2015年05月07日 21時55分36秒 | ボクシング

○内山高志vsジョムトーン・チューワッタナ●

 

内山はこれが10度目の防衛戦。毎試合ビックマッチが期待されるが、この試合も世界的には無名の選手。ただファンの間ではとても危険な挑戦者と言われるほどの実力者だった。向き合うとジョムトーンが1回りも2回りもフレームが大きい。少し前に体格の差で敗れた粟生を思い出すが、ジョムトーンは減量失敗では無く、計量後7kgほど増量していたとのこと。この増量がどっちに転ぶか楽しみだった。

 

1R長身サウスポーのジョムトーンに対し、内山は苦手意識は無さそうだ。内山のジャブが綺麗に入る。両者スピードがあり、かつパンチもキレがあるので危険なパンチが交錯する。そして最初に当てたのは内山、これがジョムトーンにとって大きな致命傷となる。内山のワンツーの右を受けたジョムトーンは右目を負傷、試合中に右目を痛がるようにしきりに気にする仕草を見せる。試合後のニュースで眼窩底骨折の疑いがあるとのことだった。そして2R、同じパンチがジョムトーンに当たると大の字になってダウン。そのまま試合終了となった。

 

ジョムトーンは長身で体格も良く(タイ人ということもあり)辰吉と戦ったシリモンコンを彷彿させた。スピードとパンチ力がありそうで、体格で押されてロープを背負う展開で後半まで行くと内山も厳しいかと思ったが、序盤に良いパンチが入って試合が決まってくれた。ハイリスク&ローリターンと思われたこの1戦だがここまで良い結果だとハイリターンになりそうだ。ビックマッチにつながることを願う。

 

心は折れない
内山高志
廣済堂出版

 

ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社

粟生隆寛 vs レイムンド・ベルトラン

2015年05月06日 19時55分44秒 | ボクシング

●粟生隆寛vsレイムンド・ベルトラン○

 

粟生の3階級制覇への挑戦。相手のベルトランは前日の計量で体重超過しており粟生が勝った場合のみチャンピオンが決まる。

 

向き合うとベルトランが1回りも2回りも大きい印象。試合開始すぐに体格の理をいかしてプレッシャーをぐいぐい掛けてくる。粟生もそれに逃げず勇敢に打ち合うもパンチ力に歴然とした差があり早くも劣勢。2R早々に相手の右フックをあびて粟生がダウン。何とか立ち上がるも脚に効いていて、すぐに追撃を受けたところでレフリーが試合を止めた。

 

体重超過のベルトランはスタミナを考えて序盤に勝負をかけたのだろう。試合の好不調の波がある粟生の出来を見る前に潰されてしまった。下から上げてきた粟生と体重超過のベルトラン、あまりにもスケールが違い過ぎた。最近は無理に体重を落とさず、体重超過した方が勝利するシーンをよく見る。何ともやるせない悔しい気持ちでいっぱいだが、今のルールでは仕方ない。


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ベースボールマガジン社



三浦隆司 vs ビリー・ディブ

2015年05月01日 23時10分24秒 | ボクシング

○三浦隆司 vs ビリー・ディブ●

 

気合十分の三浦隆司はこれが4度目の防衛戦。挑戦者は元フェザー級チャンピオンのディブ。

 

向かい合った両者、三浦は闘争心がみなぎり、ディブはやや表情が堅い。三浦はゴングと同時に詰め寄って打ち合うのかと思いきやフェイントを掛ける。意外と冷静で落ち着いているのがわかる。三浦が前に出てプレッシャーをかけて、ディブが足を使って左右に動く展開。軽いパンチながらディブの手数が目立ち、ポイントはディブに流れていそうだ。2Rも手数が多いディブに対して三浦の強烈なボディ攻撃、ディブの足を止めるのに有効に見えた。そしてなんとか1発当てたいと感じた3R、上体を屈めた三浦を見てボディにくると思ったディブの顔面に左パンチが当たり意識が飛んだディブ。腰を落とすディブに三浦は左右パンチを追撃して強烈なKOとなった。

 

1発良いパンチを当ててからの追撃は見事。世界タイトルを取った頃のもどかしかった時から比べると確実に成長している。フットワークを使う三浦が一番苦手と思えた相手に良いKO勝利でさらに自信もつくだろう。かつて内山の強打に弱気を見せた三浦ではもう無い。急な角度で成長する三浦と、やや停滞している内山。今戦ったらどちらが勝つかはわからない。

 

ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社

村田諒太 vs ダグラス・アタイデ

2015年05月01日 22時15分41秒 | ボクシング

○村田諒太 vs ダグラス・アタイデ●

 

村田諒太はこれが初の世界ランカー(WBO15位)との対決。

 

アタイデはパンチは無いがガードが高くて手数が良く出る。プロに入ってファイトスタイルに試行錯誤した村田はガードをかためて前に出るスタイルに戻した。村田は左ジャブがタイミング良く出る。時折良いパンチを当てると数倍に返すアタイデのパンチが邪魔。ややオーバーペースに見えた村田だが、5R左ジャブを再びうるさく出して立て直すとジャブから右フックを撃ち抜きダウンを奪う。アタイデはなんとか立ち上がったが完全にダメージを見せる。再開後、間を空けず左右のパンチを放ち最後は再度右フックを当てて強烈なKOシーンを見せた。

 

村田はこの試合、アマチュア時代の戦いを原点回帰で目指すとのことだった。プロのスタイルに戸惑い、ここ数試合はボクシングのスケールが小さくなっていたが、スタイルを戻して気持ちも楽になったのだろう。この難しい階級でこのパンチ力がやはり魅力。オリンピックで見せたボディ攻撃が一番の武器だろう。KO負けのない相手を倒した両拳にもう一度夢を見たくなる思いだ。

 

101%のプライド
村田諒太
幻冬舎

 

ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社

 


八重樫東 復帰戦

2015年05月01日 21時47分31秒 | ボクシング

○八重樫東 vs ポスワンジム●

 

ローマン・ゴンサレスとの激闘、続いて階級を落としての世界挑戦は衝撃のKO負け、世界を取ってからハードなマッチが続いていたので、今回は久しぶり格下との戦い。この試合はとにかく勝利という結果が欲しいところ。

 

無名のポスワンジムはやや変則ながら勇敢にパンチを振ってくる。1Rの終了間際にポスワンジムが打ってきたところに八重樫のカウンターがヒットしてダウンを奪う。2Rもポスワンジムの左に八重樫が右クロスを当ててマットに頭を打ちつけるほどのノックアウトを見せた。

 

スーパーフライ級での再出発はアウトボクシングを見せたかったとのこと。早い結果で八重樫が目指すスタイルは確認出来なかったが、打たれずに勝利出来たのは良かったのでは。

 

我、弱き者ゆえに 弱者による勝利のマネジメント術
八重樫東
東邦出版

 

ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社

フアンカルロス・レベコ vs 井岡一翔

2015年05月01日 14時22分28秒 | ボクシング

●フアンカルロス・レベコ vs 井岡一翔⚪︎

 

ミニマム級とライトフライ級を制している井岡はこのフライ級が3階級制覇への挑戦となる。1回目のフライ級挑戦ではアムナットに惨敗。まだフライ級の身体が出来ていなかった感じだったが、この試合でリングインしてきた井岡は一回り大きくなった印象。チャンピオンのレベコは8度防衛の安定王者。

 

初回から井岡の左ジャブが鋭く、距離を掴むのに効果的だった。ディフェンスにも気を使っていて非常に丁寧な立ち上がり。時々見せる得意の左ボディが強烈だが、2Rに左フックを顔面に入れてレベコをぐらつかせる。しかしこのチャンスは残り時間が足りなく逃した。

 

レベコは手数が多いが有効打が少ない。対する井岡は手数は劣るがパンチの見た目が良い。どちらともいえないラウンドが続いた。ポイントを劣勢と判断したかレベコが中盤からワイルドに出てきたが、井岡はレベコのアタックにはのらず、無理には打ち合わず、最後まで集中して冷静に戦った。

 

判定は2-0で井岡を支持。私の採点も115-113で井岡。レベコ側は不満を口にしたが、採点に対しては問題なかったと思う。

 

井岡は基本的スタイルがブロッキング主体なので攻防分離の傾向がある。井岡のスタイルを貫いて、井岡のペースで試合を展開したがポイントを取りきれなかったのが今後の不安か。しかしTBSの実況は大袈裟。実況がうるさく、聞いていると試合が盛り上がっているように感じるが、やや盛り上がりに欠けた試合だったように思う。

 

今をブレない。
井岡一翔
講談社

 

ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社

 


山中慎介 vs ディエゴ・サンティリャン

2015年04月19日 15時15分39秒 | ボクシング

⚪︎山中慎介 vs ディエゴ・サンティリャン●

 

山中慎介の8度目の防衛戦はアルゼンチンを主戦場にする無敗のチャレンジャー。戦前には全く情報が無かったので、難敵なのか、安パイなのかわからなかったが、試合開始してすぐに後者のタイプだとわかった。

 

この日の山中は右ジャブが冴え渡り、サンティリャンの顔面を何度もはねる。サンティリャンはすぐに鼻血にみまわれ、気弱そうな表情が流血でさらに弱々しく感じた。山中は右ジャブ以外にも上体のウィービングも気にしており、この点は前戦の判定勝利の反省が見られた。

 

全ラウンドのポイントを全て得て、あとはKOだけといった6Rに得意の左ストレートでダウンを奪う。そして続く7Rも「これぞ山中の左」という綺麗な左ストレートでダウンを追加すると、サンティリャンは尻もちの体制のまま顔を左右に振り、ギブアップのサイン。このままKO勝利となった。

 

相変わらず左ストレートは強烈でかつ綺麗なパンチを放つ。この日はその左をつなげるような右ジャブと、ディフェンスに成長を感じたが、やはり左ストレート頼みのスタイルは気になる。ワンツーが多いのだ。ワンツーからスリーを出せると攻撃の幅が広がるのだが、ここはもう一つステップアップするための課題か。

 

「次戦はビックマッチ」というのはここ最近何度も聞くセリフだが、同様に安定王者だった長谷川穂積もv11でフェルナンド・モンティエルにつないだ。v8をクリアした山中にはv9~v10にはビックマッチに挑みたい。山中はサウスポーでパンチ力があり、それだけで名だたる強豪からも敬遠されそうだが、同ジムの先輩の西岡利晃のように、ビックマッチをするためにストカーに近いほど執着する姿勢を見せて欲しい。

ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社

 


ボクシング過去名勝負(ベスト20)2015年版

2015年04月17日 21時45分02秒 | ボクシング
2012年にボクシング名勝負20という記事を投稿したのですが、かなり年が経ち、良い勝負もあったので、久しぶりにボクシング名勝負(2015年)を考えてみました。結果は以下のとおりです。 (*)は2012年版での順位です。
 
(2015年)
1. 畑山隆則 vs 坂本博之(2000年)  (※1位→)

2. シリモンコン・ナコントンパークビュー vs 辰吉丈一郎(1997年)  (※2位→)
 
3. ホルヘ・カストロ vs 竹原慎二(1995年)  (※3位→)
 
4. 勇利アルバチャコフ vs ムアンチャイ・キティカセム(1992年)  (※4位→)
 
5. オマール・ナルバエス vs 井上尚弥(2014年)(※new!!)

6. 八重樫東 vs ローマン・ゴンサレス(2014年)(※new!!)
 
7. 長谷川穂積 vs フェルナンド・モンティエル(2010年)(※7位→)
 
8. 西岡利晃 vs ジョニー・ゴンサレス(2009年)  (※5位↓)
 
9. 西岡利晃 vs ノニト・ドネア(2012年)  (※6位↓)
 
10. 長谷川穂積 vs ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(2戦目)(2006年)  (※8位↓)
 
11. 井岡一翔 vs 八重樫東(2012年)  (※9位↓)
 
12. セレス小林 vs アレクサンデル・ムニョス(2002年)(※12位→)

13. 山中慎介 vs マルコム・ツニャカオ(2013年)(※new!!)

14. 川島郭志 vs セシリオ・エスピノ(1996年)(※11位↓)

15. 鬼塚勝也 vs アルマンド・カストロ(1992年)(※15位→)
 
16. 徳山昌守 vs ホセ・ナバーロ(2006年)  (※16位→)
 
17. 西岡利晃 vs レンドール・ムンロー(2010年)(※17位→)
 
18. レオ・ガメス vs セレス小林(2001年)  (※18位→)
 
19. 薬師寺保栄 vs 辰吉丈一郎(1994年)  (※19位→)
 
20. ウィラポン・ナコンルアンプロモーション vs 西岡利晃(2戦目)(2001年)(※20位→)
 
ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌]
 
ベースボールマガジン社
 
1位から4位までは変わらず。5位に井上尚弥の衝撃の奪還試合が入りました。6位には八重樫が強豪ロマゴンと戦った一戦が入りました。長谷川がモンティエルを、西岡がドネアとビックマッチ対決をしましたが、八重樫の頑張りがその2試合を抑えました。 現役では山中慎介が13位にランクイン。ただ内山高志がランクインせずなので2015年は名勝負を期待したいところです。
 

ビッグマッチに向かって!!

2015年04月15日 19時08分30秒 | ボクシング
4/16の山中慎介さんの防衛戦をスタートに4月から5月にかけて怒涛のボクシング世界戦が続きます。

海外に目を向けるとメイウェザーvsパッキャオという大きな大きな、いや大きすぎる文字通り「ビッグマッチ」がひかえていますが、国内の世界戦はちょっとビッグマッチとは言えない世界戦が並びました。

しかし山中も内山も井岡も三浦も対戦相手は無名でもなかなかの強豪を選びました。ちょっと前のボクシングみたいにチャンピオンになったら安易な対戦相手を選んで確実に防衛を目指すなんて感じはありません。みんなが描くビッグマッチを前にとても危険な相手を選びました。

しかしここで転ぶわけにはいきません。この難敵を豪快にぶっ倒して必ずしもビッグマッチへつなげてもらいましょう。

頑張れ。勇敢なボクサー。