○三浦隆司 vs ビリー・ディブ●
気合十分の三浦隆司はこれが4度目の防衛戦。挑戦者は元フェザー級チャンピオンのディブ。
向かい合った両者、三浦は闘争心がみなぎり、ディブはやや表情が堅い。三浦はゴングと同時に詰め寄って打ち合うのかと思いきやフェイントを掛ける。意外と冷静で落ち着いているのがわかる。三浦が前に出てプレッシャーをかけて、ディブが足を使って左右に動く展開。軽いパンチながらディブの手数が目立ち、ポイントはディブに流れていそうだ。2Rも手数が多いディブに対して三浦の強烈なボディ攻撃、ディブの足を止めるのに有効に見えた。そしてなんとか1発当てたいと感じた3R、上体を屈めた三浦を見てボディにくると思ったディブの顔面に左パンチが当たり意識が飛んだディブ。腰を落とすディブに三浦は左右パンチを追撃して強烈なKOとなった。
1発良いパンチを当ててからの追撃は見事。世界タイトルを取った頃のもどかしかった時から比べると確実に成長している。フットワークを使う三浦が一番苦手と思えた相手に良いKO勝利でさらに自信もつくだろう。かつて内山の強打に弱気を見せた三浦ではもう無い。急な角度で成長する三浦と、やや停滞している内山。今戦ったらどちらが勝つかはわからない。
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ボクシングマガジン 2015年 05 月号 [雑誌] |
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